暗中模索の１年「やることなすことうまくいかなかった」

　原点回帰だ。日本ハムの杉浦稔大投手（３０）が契約更改交渉に臨み、１０００万円減の年俸６０００万円（推定）でサインした。不完全燃焼に終わった今季の反省を踏まえ、質の高い直球の再現を来季のテーマに据えた。

　「やることなすこと全てうまくいかない１年でした」と振り返ったように、暗中模索だった。打者のタイミングを外すため、走者のいない場面でもクイックを取り入れるなど、工夫を試みたが、裏目に出た。本来の球威や制球力を発揮できず「（打者を）崩そうとして、自分もちょっと崩れていたなという感覚はありました」と認めた。

シーズン後半はファーム暮らし

　今季は１６試合に登板し、３勝６敗、防御率５.２７。抑え候補のリリーバーとして開幕を迎えたが、４月下旬に先発へ配置転換された。しかし大事な場面で一発を浴びるケースが目立ち、負けが先行。８月５日に登録抹消となり、以降は２軍調整が続いた。

強い直球の再現へ「自分の武器を磨き直す」

　狙われてもヒットゾーンに運ばせない直球が杉浦の代名詞。復活のために導き出した答えは明確で「自分の武器をもう一度、磨き直す。強い球を投げるというシンプルなところ。それができてから応用」と言い切った。地道な反復練習でベースをつくり直し、来春のキャンプに乗り込む。