ベスト8出揃う 旭明成エース三上が7回0封9K
■秋季全道高校野球(3日、札幌円山ほか)
2回戦4試合が行われ、8強が出揃った。旭明成は5―0で滝川西を下し、秋季では19年ぶり2度目の勝利を挙げた。公式戦初先発となったエース・三上太土(たいと)投手(2年)が7回0封。スライダーとカットボールを駆使して、滝川西打線から9奪三振。2番手の千葉隆広(1年)と無失点リレーを完成させた。白樺はエース左腕の石上翼投手(2年)が9回4安打1失点と好投し、札第一に2―1で勝利した。
旭明成が、19年前に対戦して全道初勝利した滝川西から、大きな1勝を挙げた。勝利を引き寄せたのは、公式戦初先発のエース・三上だ。
序盤から右打者の外角低めへ逃げるスライダーと、それより少し速いカットボールを操り、三振の山を築いた。会心の投球に千葉広規監督(44)は「これが、僕がイメージした(三上の)姿」と最大級の評価を与えた。
二、五、六回と、三塁に走者を進めたが、「緊張もせず、一球一球、大切にいけました」と、動じずに三上は七回無失点で千葉につないだ。
支部予選は調整不足で球が浮いてしまうなど、いまひとつだった。「全道でいい投球ができるように」と、打者のベルト下付近の高さにロープを張り、低めを意識して投球練習に励んだ。
かつての球友との対戦も心待ちにしていた。滝川出身の三上は、相手のスタメン8人が顔見知り。試合前にはSNSで「お互いに頑張ろう」と健闘を誓い合っていた。
さらに兄の竜輝さん(22)も滝川西出身で、17年夏の甲子園メンバー。当時は三上も聖地で応援したが、逆に「甲子園に行ったことのない高校で目指したい」と旭明成に進学することを決断。兄とは違う道を選んだ。
きょう4日の準々決勝は、今夏の支部で敗れた旭実と対戦。指揮官は「二つ勝って新しい歴史をつくりたい」と意気込んでいる。3季通じて初の4強入りへ、「いつも通りやれば勝てる」と三上。愛着のある地元の高校を倒したエースが、次は夏のリベンジに燃える。
(西川薫)