FA移籍する近藤が鎌ケ谷で別れのあいさつ
日本ハムのファンへ感謝「北海道に育てられた」
日本ハムからソフトバンクにFA移籍する近藤健介外野手(29)が13日、千葉・鎌ケ谷の球団施設を訪れ、あいさつ回りと荷物整理を行った。11年間、応援をしてくれた日本ハムファンへ「本当に温かい声援をいただいて力になった。北海道に育てられたという思いもあるので、これからは結果で恩返ししたい」と感謝を口にした。
悩み抜いた末に結論を出した近藤の表情は、晴れやかとは言い難かった。「いろいろ悩んだので、(気持ちが)ぱーっとはなっていないですけど」と苦笑い。「すっきりした気持ち、正解だったなって思えるように、これから野球をやっていかないといけない」と言葉に力を込めた。
11月8日にFA権行使を発表し、同11日に他球団との交渉が解禁。大型契約を提示して残留要請していた日本ハム、ソフトバンク、オリックス、西武、ロッテによる争奪戦となり、1カ月ほど熟考を重ねた。「もちろんファイターズで11年間やって恩もありますし、入団当初からお世話になっている中嶋監督(オリックス)と野球をやりたいというのも。いろんな思いがあり、ちょっと長引いてしまった」と明かした。
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「これからは家族、子供のために野球をやることも必要なのかな」
ソフトバンク移籍を決断した理由については「家族です。ここまで自分のために野球をやってきましたけど、これからは家族、子供のために野球をやることも必要なのかな」と説明。戦力が充実しているチームに移籍し、あえて厳しい環境に身を置きたいという思いもあった。「厳しい競争になると思うので、もう一回しっかりと自分を見つめなおして向き合って勝負していくのも大事だと思う」と表情を引き締めた。
新庄監督からは感謝の言葉
日本ハムには12月上旬に断りの連絡を入れたという。新庄監督には「短い間だったけどありがとう」と言葉を掛けられたそうで、「こちらこそ本当にありがとうございましたと伝えて。よく猫背になるバッティングのことを注意されていたので、そこだけは気を付けてと言っていただきました」。
選手会長は同期の松本剛へ託す
2021年から務めた選手会長は、今季首位打者のタイトルを獲得したドラフト同期の松本剛に託す。「納会も一緒に準備しましたし、あとは他のメンツがサポートしてくれるかな」。入団時から切磋琢磨してきた同学年の松本剛、そして上沢とは、来季同一リーグで敵として戦うことになる。「寂しい思いと、対戦相手になったらどういう感覚になるのか。不思議な感覚はありますね」と思いを巡らせた。
日本ハムでの一番の思い出を問われると「(2016年の)日本一だったりですかね。言ったらきりないですけど」と感慨深げに語った。育ててもらった北の大地への感謝を胸に、球界屈指の安打製造機が新天地へ旅立った。