【新春特別企画】きよのむ対談 高校時代から意識 ひかれ合う才能《前編》
強い絆 野村「友達ッスよ」 清宮「ナメているッスよ」
日本ハムの清宮幸太郎内野手(23)と野村佑希内野手(22)の新春特別対談が実現した。高校時代から互いを認め合っていた2人の野球人生がプロで交差。1学年違いの先輩後輩でありながら、友人、兄弟のように絆を強めてきた。2023年優勝のカギを握る「きよのむ」が親密ぶりを発揮しながら、熱く緩く本音トークを繰り広げた。
―仲良し対談スタートです
清宮(以下きよ)「仲良し対談? 僕はあまり仲良しと思ったことがないけどね」
野村(以下のむ)「僕ですか?」
きよ「(野村は)後輩なので、仲良しとかない。ナメているッスよ」
のむ「仲良しですよ。友達ッスよ」
きよ「ハハハ(苦笑)」
初対面でアーチ共演 2017年の関東大会
―あらためて出会いから振り返ってください
きよ「出会い? (高校時代の)関東大会だよね」
のむ「初めて会ったのは春の関東大会ですね。僕が2年生。2016年?」
きよ「2017年」
のむ「すごい試合。超乱打戦だったよね」
―10―9の壮絶な試合でした
きよ「えっ?」
のむ「そうそうそう」
―2人ともホームランを打っています
きよ「そうですね」
プロ入り前からそれぞれを意識
―互いの存在は意識していましたか
のむ「僕はもちろん」
きよ「僕も知っていた」
―最初の印象は
のむ「あ~清宮だ(笑)。(フィーバーで)テレビを付ければ(報道されている)状態だったので、有名人を見ているみたいな」
きよ「僕は…何ですかね。よう打つわと。(味方投手に)何でそんなところに投げる―みたいな。そう思った。めっちゃ打つなと」
―その年の夏、野村の花咲徳栄高が全国制覇
きよ「俺ら(関東大会で)勝ったしなってずっと言っていた。日本一みたいなもんじゃんと。最後に負かしたのは俺らだよなって」
のむ「東海大管生(17年夏の西東京大会決勝で早実が敗れた)にはリベンジしておいたんで。僕らが」
ファイターズで再会 有言実行のクリーンアップ
―プロでは一緒のチームに
きよ「僕、ドラフト(野村が指名された2018年)は宮崎のホテルで見ていた。野村かあ~って。2位だよね」
のむ「2位です」
きよ「取ったなと。知っていたので、いい選手を取ったな~と」
―野村選手は指名あいさつから清宮選手とクリーンアップ打つと
きよ「へ~」
のむ「まあ、クリーンアップを取るとして、年が近い人なら清宮さんしかいないなって。どっちにしろだったですもんね、プロに入ろうが、大学に行こうが」
きよ「なんかあったね。それを言っていいのか分からないけど(笑)」
進化を続ける若きバットマン2人 互いをリスペクト
―それぞれが思うすごいところは
きよ「彼は、いっぱいありすぎて困るけど」
のむ「よう言うッスわ。聞いたことがないですもん」
きよ「なんでやねん(笑)。角度がある。縦振りがすごい。僕は横振りなので、インコースの球が変な方向に飛んでしまったり、落ちる球が合わなかったり、打球が上がりにくかったりするけど、彼の場合は…。本当に練習を見ていたらすごく分かりやすいけど、(バットが)内からすごくきれいに出てくる。インコースもすごいうまいし、ヒットコースに飛ぶ。めっちゃすごいと思う」
―平面ではなく、立体的に捉えているということですか
きよ「そう。どのコースでもそうやってバットが出てくる。あとスウェーしない(体の軸がぶれない)というか。僕が見ていて。その場で打っているような感じがする」
のむ「きよさんは、みんなが黙ってしまうような、見とれるような、きれーいなホームランを打つじゃないですか。ホームランバッターのホームランってこういうことなんだなと。高校のときからそうですけど、すごいじゃないですか。ほかの選手と全然、打球の上がり方が違うし」
―滞空時間の高い打球が多い
きよ「いやいやいや、何ですかね? みんなと一緒ですよ(笑)」
のむ「着弾まで長いじゃないですか。見とれるようなホームランを打ちますよね」
きよ「いや、うれしいですね。そうやって言われるのはうれしい」
清宮への期待はヤクルト村上超え
―2023年シーズン。互いにどのくらい打ってほしいか、ノルマを設定してください
きよ「3割ですよ。ホームランも25本? 僕より打つかもしれないですけど…僕はもっと打つ! 25本くらいで打点は100」
のむ「きよさんですね。3割2分、57本、140打点!」
―ヤクルトの村上選手を超えるような
のむ「そうです」
きよ「確かに」