Fリーグ
2022/12/16 20:45

今季から選手兼GM エスポラーダ北海道の39歳・水上が8季ぶりPO進出導く 

今季エスポラーダ北海道のGMに就任したFP水上は選手の二刀流で奮闘中だ

チーム2位の8得点 歴代最多試合出場も更新中

 8季ぶりのプレーオフ進出へ、Fリーグ界のレジェンドが導く! 1部リーグ8位(16日現在)のエスポラーダ北海道で、今季からGMとの二刀流に挑戦している札幌出身のFP水上玄太(39)がコート内外で奮闘中だ。

 今季ここまで8得点を挙げ、チームではFP室田祐希主将(30)に次ぐ2位、リーグでも11位につけるゴール数だ。2007年のリーグ創設時から歴代最多427試合出場。積み上げた歴代3位の通算268得点の記録を今なお塗り替え続けている。

昼は背広で奔走 コートの内外でチーム強化

 Fリーグでは、今春から代表理事と選手を兼任をしている立川アスレティックFCのFP皆本晃(35)がいるが、GMとの二刀流は初。国内スポーツのトップリーグの中でも、チーム強化を統轄するGMとの兼任は異例のケースだ。

 今年3月、GM就任と同時に10年以上勤めていたチームのスポンサー企業を退社。平日は既存のスポンサー回りに加え、新規獲得にも奔走する。これまで100社近くを訪問。「僕を知ってくれていたら、話しやすいですね。新たな営業だと、僕、選手兼GMとしてやってます」とあいさつから始まり、チームを存分にアピールする。昼は背広を着て走り回り、練習に遅れて合流することもしばしば。さらに今月は4試合があり、現役選手としてのコンディション維持も工夫を凝らしながらこなす忙しい毎日を送っている。

まな弟子FP近藤との共演熱望「2人が絡んでゴールとか決められたら最高」

 次世代の育成にも力を注ぐ。今季は新人3人を含む4人を補強。さらに札幌道央ブロックリーグに参戦中のセカンドチームからは複数人の特別指定選手を登録。1人は水上がかつて小学生のスクールで指導したまな弟子のFP近藤一哉(20)だ。「もしかしたら一緒に(試合で)ボールを蹴ることができるかもしれない。僕がアシストなのか一哉がアシストなのか、2人が絡んでゴールとか決められたら最高」と夢見ている。「今後もセカンド、U―18を含めて、選手が上がって来られるように」と、長く時間をかけて徐々にチーム強化を図っていく。

 水上本人は来年5月に四十代に突入する。三十代となってからぜんそくを発症し、咳に苦しめられることも多かったが、ゴールを狙う意欲はまだまだ衰えを知らない。GMとしては自らの成績に「もうちょっとイケんじゃない? もうちょっと頑張れよって」と厳しく評価を下している。「GMだから試合に出ているっていうふうに言われるのが一番、僕は嫌なんで。結果が出てないんだったら、退くのが当然」と客観的に、シビアに選手としての自分を査定し、引き際が来た際には自らに引導を渡す覚悟だ。

3位と勝ち点7差で残り6試合「団子状態なので連勝すると急に順位も上がる」

 リーグ戦は残り6試合。上位3クラブが進出するプレーオフに行く可能性は十分に残っている。勝ち点23で8位のエスポラーダは、3位・ペスカドーラ町田と勝ち点7差。「8位だけど、団子状態なので連勝すると急にポンポンって順位も上がる。今年の目標はまずプレーオフ」と、諦めの気持ちは微塵もない。今月17日には、勝ち点26で5位の湘南ベルマーレとアウェーで直接対決。ルーキーGMは自らを奮い立たせ、湘南との〝シックスポイントマッチ〟でも貪欲にゴールを狙っていく。

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