冬季スポーツ
2022/12/17 19:00

17歳、岩崎里胡がシニア大会初の表彰台 名寄ピヤシリジャンプ大会

女子優勝の一戸(右)と記念撮影する岩崎

最長不倒タイ94.5メートル記録し女子3位

■名寄ピヤシリジャンプ大会兼北海道新聞社杯(17日、名寄ピヤシリシャンツェ=K点90メートル、HS100メートル)

 冬の国内戦が開幕した。女子は、1回目に最長不倒タイの94.5メートルで首位タイに立った、地元・名寄市出身の岩崎里胡(下川商高2年)が冬季シニア大会初の表彰台となる3位に入った。昨季の国際大会獲得ポイントがないため、来年1月のW杯に出場することはできないが、この夏めきめきと頭角を現し始めた注目株。今季最大の目標である世界ジュニア選手権(2月、カナダ・ウイスラー)初出場へ大きく前進した。女子の優勝は一戸くる実(N高3年)だった。男子は竹内択(35)が制し、50代の冬初戦となった葛西紀明(土屋ホーム)は13位タイに終わった。W杯遠征メンバーは出場していない。

「地元で優勝できればいいなって思ってた。少し悔しい」

 高梨沙羅に憧れジャンプを始めた17歳が、いままさに大きく羽ばたこうとしている。首位タイで迎えた2回目。最後から2番目で飛び出した岩崎は、K点の少し手前の87.5メートルに着地。初優勝は逃したが「結構緊張したんですけど、まずまずのジャンプはできたので良かった」と合格点。続けて「まだシニアで優勝したことがないので、地元で優勝できればいいなって思ってた。少し悔しい」。18日の吉田杯で表彰台の一番高いところに立って、4日遅れの誕生日プレゼントを自らに贈るつもりだ。

 積み重ねてきた努力が結果に表れた。オフは「しっかりジャンプ台に力を加えるように意識しました」。夏の初め、コロナ禍で一時部活動が止まったが、伊藤克彦コーチ(55)は「そういう時も1人でコツコツ練習してるような場面をよく見ていた。そういうのがつながっている」と目を細める。

 7月のサマー大会から10月のNHK杯まで、2度の表彰台を含むシニア大会12試合全てトップテン入り。「今年の夏くらいから成績が出るようになってきて、シニアで戦えるようになってきた」と、手応えをつかんでシーズンを迎えた。

高梨沙羅に憧れ、小学3年で競技始める

 名寄東風連小3年の冬、ソチ五輪をテレビで観戦。高梨の活躍に目を奪われ、下川ジャンプ少年団に加入。名寄中を卒業すると、迷うことなく下川商高に進学した。同級生にスキー部員は男女計5人。「クラスにジャンプやってる子がいっぱいいるので、アドバイスをしあいながら競技できてるのは、すごくいい」。寮生活をしながら、将来の五輪出場を目指してジャンプ漬けの毎日を過ごしている。

伊藤コーチ「W杯にも食い込める競技力に上がってきてる」

 この日の1回目で首位タイに立った教え子を、伊藤コーチは「あの順序で折り返して飛んだことが、今まで試合ではほぼなかったので、そこで自分の気持ちを上手にコントロールして、いいジャンプ、いい内容で終われた。FISポイント、コンチネンタルポイントがあれば、年明けのW杯にも必ず食い込める競技力に上がってきてる」と目を細める。岩崎自身も「今年成績をしっかり出して、来シーズン入れたらいいな」。初のナショナルチーム入りへ、飛躍のシーズンにしてみせる。
 


■プロフィール
 岩崎 里胡(いわさき・りこ) 2005年12月14日、名寄市生まれ。名寄東風連小3年の時、下川ジャンプ少年団で競技を始める。同小閉校に伴い5年から名寄風連小。名寄風連中では1年から全国中学に出場。下川商高1年の高校選抜で初優勝。日本ハムファイターズ・松本剛のファン。163センチ、51キロ。家族は両親と兄。
 

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