冬季スポーツ
2022/12/18 21:30

札幌日大高1年・佐藤柚月が日本勢最年少でW杯初切符「ちょっとびっくり」吉田杯ジャンプ

2日連続で4位に入りW杯初切符を手にした佐藤(撮影・西川薫)

■吉田杯ジャンプ大会(18日、名寄ピヤシリシャンツェ=K点90メートル、HS100メートル)

2日連続4位「楽しんで、自信につなげられるようなジャンプを」

 来年1月に札幌・大倉山と山形・蔵王で行われる女子W杯のそれぞれ第1日目に出場する開催国枠選手の選考会として名寄2連戦が行われ、2日連続4位に食い込んだ佐藤柚月(札幌日大高1年)が、日本勢最年少の初切符をつかみ取った。大会は小林諭果(28、CHINTAI)が優勝した。

 次世代のニューヒロインと期待されている佐藤が、いよいよW杯デビューを果たす。「今、ちょっとびっくりしてるんですけど、それまでに自分のジャンプをちょっとでも良くして、楽しんで、自信につなげられるようなジャンプをしたい。(W杯の)目標は30位以内に入ってポイントを取りたい」と、世界最高峰の舞台を見据えた。

破竹の勢い 8月FISカップ・ラージヒルでいきなり3位表彰台

 この夏、一気にW杯へ挑戦する準備を整えた。2月の札幌五輪記念で中学3年ながら社会人を破って初優勝すると、8月には高校1年ではただ1人、FISカップの欧州遠征メンバーに選ばれ、合計6試合に出場。同27日の第1戦・アインジーデルン(スイス)では、得意のラージヒル(LH)でいきなり3位表彰台、さらに同日に行われた第2戦でも4位と結果を残し、4試合でFISポイントを獲得した。

 ポイント獲得で次の段階へステップアップ。菅野公則コーチ(58)から「行ってこい!」と背中を押され、12月の男子コンチネンタル杯遠征に自費で帯同。ビケルスン(ノルウェー)で行われた9、10日の2試合(LH)で、7位と4位でコンチネンタルポイントも獲得した。「コンチはレベルが高いからどうかなとは思っていたんですけど、思ったよりできた」。帰国後、今回の名寄2連戦へ直行し、見事にW杯切符を射止めた。

武器のテレマークはただ1人、2本とも飛型点50点超

 持ち味はテレマーク。17日の初戦では、ただ1人、飛型点50点超えを2本揃えた。「今日(18日)は2本目を失敗しちゃったんですけど、しっかりといれることを意識して飛んでるので、そこが得点につながってる」とさらに武器を磨いていく。

 今春、姉・美月(日大1年)の背中を追いかけ、札幌日大高に進学。まず菅野コーチからは、普段の立ち方や歩く姿勢から指導を受けた。「反り腰みたいな感じになってるので、おなかを引き上げる意識で立ってます。母からも『変わってきたね』」と、声を掛けられるぐらいに基礎を徹底。さらに夏場は大会での結果よりも体幹強化など体づくりに重点を置いた。「だいぶおなかに力が入るようになって、助走のポジションも安定して、空中でも動かないようになった」と、戦う土台は徐々にでき上がっていった。

「夢はオリンピックで金、W杯で総合優勝」

 来年は3年ぶりに札幌でW杯が開催される。佐藤は札幌ジャンプ少年団出身だが、意外にもW杯は生で見たことがないという。「夢はオリンピックで金メダルを取ることとW杯で総合優勝すること」。憧れの高梨沙羅ら何人もの選手が世界へ飛び出していった大倉山で、15歳の新星が夢の実現へのスタート台に立つ。


■プロフィール 佐藤柚月(さとう・ゆづき)2007年1月22日、札幌市生まれ。3学年上の姉・美月さん(日大1年)の影響で、札幌月寒小1年生の時に札幌ジャンプ少年団で競技を始める。今年2月の全国中学で初優勝。同3月の札幌五輪記念でシニア初優勝。憧れは札幌日大高の先輩・佐藤幸椰(27)と高梨沙羅(26)。161センチ、46キロ。家族は両親と姉。


■女子W杯札幌・
 蔵王大会出場予定選手

【W杯遠征組】
高梨  沙羅
伊藤  有希
勢藤  優花
丸山   希
宮崎  林湖
【開催国枠出場組】
小林  諭果
一戸 くる実
久保田真知子(札幌大会のみ)
五十嵐 彩佳(蔵王大会のみ)
中山   和
岩佐  明香
佐藤  柚月
桜井  梨子

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