夏季スポーツ
2022/12/20 21:00

札幌市とJOCが会見 2030年冬季五輪招致活動の方針見直しへ

質疑応答に臨む秋元・札幌市長(撮影・玉田順一)

秋元市長「国民の支持をベースに物事を進めていかなければいけない」

 札幌市と日本オリンピック委員会(JOC)が20日、招致を目指している2030年冬季五輪に関する記者会見を東京都内で行った。会見には秋元克広札幌市長とJOCの籾井圭子常務理事が出席。山下泰裕会長は体調不良のため、欠席した。

 昨夏の東京五輪に関わる汚職、さらには開催地決定の延期もあったことから、機運醸成のための大規模なイベントなどは当面休止し、札幌市民や道民、国民に一層の理解を得られるよう、招致活動の方針を見直すことを決めた。大会運営の公正さや透明性を確保することを最優先する。「国民の支持をベースに物事を進めていかなければいけない。今までと違う大会となる」と秋元市長。

 今後は民意を問う考えもある。「前回の意向調査は市民・道民に調査したが、加えて全国もしなければいけないのでは、と考えている。具体的にはJOCとも今後相談して検討していきたい」と全国民の意見を問う可能性も示唆した。

 秋元市長は、改めて「2030年大会の招致実現へ向けて、クリーンな大会を実感して頂けるような新しい形のオリンピック、パラリンピックを提案できるよう全力を尽くして参りたい」と力を込めた。改善案を示すのは来年度となる見通しだ。


札幌市の冬季五輪招致を巡る経過

【2014年11月】
 上田文雄市長(当時)が26年大会の招致を表明
【2018年9月】
 北海道地震発生。札幌市は国際オリンピック委員会(IOC)に招致断念を伝え、目標を30年大会に切り替え
【2019年11月】
 東京五輪のマラソン・競歩が東京から札幌に移転決定
【2020年1月】
 日本オリンピック委員会(JOC)が30年大会の国内候補地を札幌市に決定
【2021年8月】
 東京五輪のマラソン・競歩を札幌で開催
【2022年8月】
 JOC理事を務める広告代理店社長や各界大手の社長らの東京五輪を巡る汚職事件が次々発覚
【2022年10月】
 招致スローガンを「世界が驚く、冬にしよう。」に決定
【2022年12月】
 IOC、30年大会開催地決定を先送り

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