《河合CRC竜の眼》今季のベストゲームTOP5【年末スペシャル・前編】
今年最後の竜の眼は、私が選んだ2022シーズンのベストゲーム、ベストゴールを紹介したい。今季は開幕から6戦連続ドローから始まり、残留争いにも巻き込まれたが、選手たちは最終的に6年連続のJ1残留を勝ち取り、成長した姿を見せてくれた。その中から最も熱かった試合、熱かったゴールを厳選して振り返る。まずはベストゲームTOP5を紹介し、あす24日の公開でベストゴールのTOP5を紹介する。
クラブに新たな歴史つくった川崎との激闘
1位 第31節ホーム川崎戦○4―3(10月1日、厚別)
川崎を相手に聖地・厚別でシーソーゲームを繰り広げ、最後はロスタイム12分にFW小柏がカウンターから決勝ゴール。新たな伝説をつくり上げた。先制点を取られたが、まず前半で一度逆転したことでチームとしての実力も上がったと感じたし、後半にまた逆転されても、それを跳ね返すという、本当にクラブの歴史の中でも語り継がれるであろう試合となった。相手FW小林悠のゴールで逆転され、サポーターもまたかと思ったと思うが、あそこで逆転できる力をつけてきたのは評価できるし、チーム力がついてきた証拠。お互いにチームの良さを消すサッカーをしなかったし、互いの良いところを出し合うゲームとなったが、一人のサッカーファンとして本当に面白い試合だと思えた。最後も皆がつないだゴール。いかにチームとして戦う事が重要か、改めて気づかせてくれた。近年、結果を出し続けている川崎に対し、これだけ良い試合ができるというのは、チームとして成長したところだろう。今まで大敗が多かった中で、そのチームに近づいてきたと感じさせてくれた。
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青木の劇的ロスタイム弾で勢いに乗ったC大阪戦
2位 第28節ホームC大阪戦○2―1(9月2日、札幌D)
先制を許すも、新加入のFW金健熙が後半41分に強烈同点ヘッド。MF青木がロスタイム4分に劇的なミドルシュートを決めて逆転に成功。スーパーゴール2発も見物だった。後半30分過ぎの先制点を奪われるまで自分たちの形をつくれなかったし、失点シーンもちょっとずつマークがズレていた。しかし、金健熙の来日初ゴールで息を吹き返し、明らかにリズムが変わった。青木の最後のゴールもDF岡村がルーズボールをつないだのが大きかった。球際の勝負は試合の勝敗も左右する。青木のファーストタッチも良かったし、ゴールも見ずに打ったことで相手GKのタイミングをずらし、センスが光るシュートだった。止めてから蹴るまでのイメージができていたのだろう。この逆転勝利で、残留を争っていた残りの試合でも勢いに乗っていくことができた。
バンディエラ宮沢が3位・広島から残留決める決勝弾
3位 第33節アウェー広島戦○2-1(10月29日、Eスタ)
苦しかった残留争いから抜け出し、6年連続のJ1残留を確定させた試合。2012年のJ2降格を知るバンディエラ、MF宮沢主将が決勝点を挙げたというドラマもあった。ゴールは「危険なスペースに、危険なタイミングで走り込め」というのミシャさんの教えを体現できた。相手を左右に揺さぶりながら、ボランチの宮沢が前線の選手を追い越し、良いタイミングでゴール前に入ってしっかりと仕事をこなしてくれた。
今季初連勝の磐田戦 福森FK弾から4発快勝
4位 第29節ホーム磐田戦○4-0(9月11日、札幌D)
DF福森が2季ぶりとなるFK弾でゴールラッシュが始まった。2点目はDF田中駿、FW興梠、MF金子、シャビエルがワンタッチでつないだゴールは圧巻で、完璧な試合運びで今季初の連勝を飾った。
2万人超の観客が選手を後押し G大阪に完封勝利
5位 第18節ホームG大阪戦○1―0(6月26日、札幌D)
規制の緩和により2019年以来となる2万人超えの観客が詰めかけた一戦で、選手たちのモチベーションが違った。選手を後押しするサポーターの力はやはり偉大だったし、4試合ぶりの勝利につなげてくれた。公式戦11試合ぶりに完封勝利したことも大きかった。
《後編へ続く》