札幌山の手が快勝発進! エース森岡が自己最多41得点と大爆発 ウインターカップ女子1回戦
■ウインターカップ全国高校バスケットボール選手権 第1日(23日、東京体育館ほか)
女子1回戦が行われ、4年連続40度目出場の札幌山の手が105―51のダブルスコアで三田松聖(兵庫)を撃破。来春、Wリーグ・日立ハイテククーガーズ入りが決まっているU18日本代表のPG森岡ほのか主将(3年)が大会歴代4位タイとなる3点シュート9本をマーク。1試合自己最多の41得点を挙げた。頼れるキャプテンの活躍で一度もリードを許すことなく、11年ぶりの頂点へ快勝発進した。
エース森岡の〝長距離砲〟が次々とリングに吸い込まれた。7点リードの第1クオーター(Q)残り3分。ゴールほぼ正面から最初の3点シュートを決めると、一気に3本連続で成功。自身にも、チームにも勢いをもたらした。第2Q以降も、相手がチェックに来る前にクイックネスで正確にリングを射止め続けた。「スリーポイントは水物なので、毎試合入るわけではない。自分は得点も取れるけど、周りを生かすことも得意」と3アシストも記録。自己最多得点の更新には「うれしいです。なんも考えないでやってたので、しっかりこれからもやってきます」と笑い飛ばした。
信頼する名コーチのアドバイスで復調
ただ、前日練習では3点シュートが全然決まらなくて少し焦った。すると、東京五輪銀メダルのOG町田瑠唯(29)らを育てた名伯楽の上島正光コーチ(79)から「もっと落ち着いて打て。ハンドチェック来てるけど、ブロックされることはほとんどない。しっかり一呼吸置いて打て」と助言を受け、感覚を取り戻した。
3点シュートは12本放って9本沈めた。成功率は驚異の75%。06年以降の大会歴代記録では、いずれも高校の先輩で、14本(1位)の池田玲奈(2006年)、10本(2位)の今野真澄(2008年)らに続いて4位タイ。1大会の成功率では1位の64・3%(14本中9本成功)を上回る。
自身最後のウインターカップで進化した姿を披露
近代バスケでは、3点シュートの成功が勝敗を分けるカギと言われている。森岡は昨年、苦杯をなめた2回戦の大阪薫英女学院戦で、自己最多39得点をマーク。だが、3点シュートは11本放ってわずか2本しか決められなかった。「去年は、止まって打つ練習が多かったんですけど、今年からは動きながら、不安定なところからしっかり決められるようにしてきた」。さらに、昨季から男子のように片手でシュートを打つ練習にも取り組んできて「筋力が増えてきた分、届きやすくなったので確率が高くなってきた」と手応えを感じている。
今年のインターハイ出場を辞退 「この大会に懸ける思いは強い」
主将としても3度目の大舞台だ。2年前の総体後、1年生ながら、姉・かりん(当時3年)から大役を引き継ぎ、ウインターカップでは主力として4強入りに貢献した。昨年は2回戦で敗退。この夏は総体予選を制するも、新型コロナの影響で全国大会出場を辞退した。苦しい時期もチームのまとめ役になってきた。「インターハイに出られなかったのはすごく大きいですし、一つの経験をなくしてしまったので、それは悔しかったんですけど、その分この大会に懸ける思いはみんな強い。この一試合一試合を大切に、みんなで声を出しながら楽しんで戦っていきたい」。3年間の集大成、簡単に負けるわけにはいかない。