14年沢村賞の金子が引退 日本ハムの特命コーチ就任へ
札幌市内で引退会見 18年のプロ生活に終止符
今季限りで日本ハムを自由契約になっていた金子千尋投手(39)が23日、札幌市内のホテルで会見を行い、現役引退を表明した。支えてくれた家族やスタッフ、ファンに感謝の言葉を伝え、18年間のプロ生活を締めくくった。合わせて、来季から日本ハムの特命コーチに就任し、米国へコーチ留学することを発表した。
NPBに絞って現役続行の可能性を探ってきたが、オファーはなかった。トヨタ自動車から故障を抱えた状態でプロ入りし、オリックスで14年、日本ハムで4年、戦った。「順風満帆と言える成績ではなかったかもしれませんが、入団した時の自分を考えると、よくやったのではないかなと思います」。自らの願いにふたをして、ユニホームを脱ぐ決意を固めた。
上沢&加藤がサプライズ登場 コーチとして「ビシビシいく」
花束贈呈では子どもたちが登場。会見場が温かい空気に包まれる中、「追加で質問いいですか!」と場違いな声が響いた。後方から姿を現したのは、スーツを着た加藤と上沢だ。「南アフリカ中央テレビの者です」とボケながら乱入してきた。
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選手を代表し、上沢が先輩に感謝の気持ちを伝えた。続けて「選手とコーチの立場になりますが、今までと変わらず、私生活でも野球選手としても、いろいろとご指導ご鞭撻(べんたつ)いただけるのでしょうか?」と質問。苦笑いの金子は「しっかり線引きをしてビシビシいきたいと思います」と鬼コーチ役を演じ、笑いを巻き起こした。
スプリングキャンプに合わせて米国へコーチ留学
シーズン終了後、日本ハムから特命コーチ就任を要請されていたが、気持ちの整理をつけて受諾した。米国への野球留学は半年間を予定。来年のメジャーのスプリングキャンプに合わせて渡米し、日本ハムと提携するレンジャーズの施設に滞在する。
すでに、指導のイメージは持っている。「ただやれ、と言われても今の選手はやらない。根拠を言って教えてあげた方が納得すると思う。僕はそういうタイプだった」と説明。影響を受けた人物は日本ハムでも投手コーチを務めたロッテの吉井理人監督(57)で「吉井さんがコーチになる時、まず自分がやられて嫌だったことを書き出したと。それは絶対にやらないと聞いたことがあったので、僕もそうありたいなと思いました」と信念を口にした。
日本ハムは来季、金子の引退試合、セレモニーを実施する方向で調整している。14年に沢村賞を獲得するなど、リーグを代表する投手として長く活躍した功労者は、磨いてきた投球術や卓越した頭脳を生かし、後進育成に力を注ぐ。
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