【新春特別企画】侍ジャパン栗山英樹監督インタビュー「教えて栗山監督」!
世界一を目指す指揮官に「10の質問」を直撃!
今年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で世界一奪還を目指す野球日本代表の栗山英樹監督(61)が、道新スポーツの新春インタビューに応じた。日本ハムの指揮を執った2021年シーズンまで紙面で掲載されていた「教えて栗山監督」がこのたび復活! 今の心境から、気になるメンバー選考まで、『10の質問』に答えてもらった。
いよいよ決戦の時 22年のサッカーW杯も注視「相当プレッシャー」
①2023年が幕を開け、いよいよWBCイヤーを迎える。気持ちが高ぶってきたか
「11月の強化試合が終わって、メンバー選考とかいろいろ本当に動いている感じ。緊張感、プレッシャーとかいうより、ガーッと入っている感じ。毎年、年が明けるとスイッチが入っていくので、このまま勢いを持って、3月まで走り続けたいなと思います」
②昨年のサッカーW杯では日本代表が躍進した。どういう心境で見ていたか
「過去のW杯とは全然違った。初めて自分がやっていないのに、あんな心境になるというか…。本当に気持ち悪くなってくる。ただ、頑張れではなくて、その人の立場になった時に、やられそうになるとか、まずいと思うとか想像がつくじゃない。そういう時に自分がどういう表情をして、どういう策が打てるのか。それは相当プレッシャーだよね」
メンバー発表は1月下旬 「ギリギリまで引っ張りたい」
③WBCの選手枠は30人。日本代表のメンバー発表はいつ
「正式には1月の終わりだよね。悩むよ。今すげー悩んでいる。ある程度、選手たちには伝えないといけないんだけど。でも、焦って決めるのは、無理やり感が出るじゃない。無理やり決めるものじゃない。選手には悪いけど、準備してくれと言って、ギリギリまで引っ張りたい。考え込んで、自分で落とし込めれば良い」
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④投手は日本のボールとは違うWBC球を使うため、調整が難しい
「広く候補選手にはボールを渡してくれている。俺がちょっとホッとしたのは(WBC2大会に出場した)松坂大輔が『(メンバー入りを)言われなくても準備していたつもり、みんなそう思っていると思いますよ』と言ってくれたこと。ピッチャーは早く決めないとと思っていましたけど、みんなには迷惑をかけるけれど、すみませんみたいな気持ちになっている」
伊藤大海は当落線上もユーティリティーさを高評価
⑤選手選考において、21年まで監督を務めた日本ハムの選手は厳しい目で見ているか
「すごく良い面も俺は知っているし、苦しむ時も知っているじゃない。他の一流選手の苦しむシーンはあまり見ない。超一流の人ばかりなので」
⑥21年の東京五輪、昨秋に行われた強化試合で日本代表入りした伊藤は候補の1人か
「ライン上にいるだろ。正直言えば、1年目の方が良かったと俺は思う。本人も分かっているだろうし。ただ、彼の良さはどこでも投げられるし先発もできる。短いイニングもいけるしね。あれだけいろんなことができるピッチャーはあまりいないのも事実。大海だったら、そういう幅があるのが強み。ただオリンピックや1年目よりは、今は自分の新しい感じを模索しているというのもあるよね」
大谷、ダル、鈴木 メジャーリーガーが続々参戦表明
⑦大谷、ダルビッシュ、鈴木とメジャーリーガー3選手がWBC参戦を表明。率直にうれしかったか
「僕がやらないといけないのは、みんなが見たい選手に1人でも多く出てもらうこと。日本の若い選手たちのためにも、ああいう選手と一緒にやらせてあげるのはすごく重要なことだと思っていた。僕がというより、選手たちが、自分が、どう日本の野球のためにしないといけないのかを理解していて決断をしてくれた。本当に感謝しています。ありがたかったです」
⑧年末年始はどのように
「1月1日は栗山天満宮での合格祈願祭。北海道にいるし、いつもと一緒だよ。元気そうでしょ? やることハッキリしているから、3月までは充実しているは充実している。毎日、WBCのことを考えているし、ホッとするためには試合に勝つしかない。今年3月が終わったら、一生暇なんだから」
今年の一文字は「尽」 本番に向け「世界一になります」
⑨今年の一文字に『尽』を挙げた意図は
「これから3月まで、とにかくやり〝尽〟くしていく。そして絶対に諦めない。必ずチャンスはあると思って最後まで勝ち切れるようにやり〝尽〟くす。どういう展開になっても野球は何点差になってもチャンスがあるので、必ず結果に結び付けていく。そういう姿だけはしっかり見せられるように僕もやっていくし、選手たちもやってくれると思います」
⑩最後に本番への決意を
「目標も何も世界一になるためだけに戦うので、選んだメンバー、そして日本野球の代表というか、皆の思いなので必ず世界一、頂点に立てるように全力でやっていく。世界一になりたいとかではなくて、世界一になりますという思いで向かっていきます」