ファイターズ
《ハム番24時》12月24日
爪が乾燥で割れないように、愛妻が使っていたロクシタンのクリームを塗る。血流をよくして疲労をとるため、登板直後の肩には氷ではなく電気をあてる。変わっているように見える行動にも、考え抜かれた理由がある。23日に現役引退と特命コーチ就任を発表した金子さんはそういう選手だった。
今夏、新型コロナの影響で2軍戦の多くが中止となった期間には、週1の〝仮想登板日〟をつくって調整したそう。8月18日の2軍ヤクルト戦は40日ぶりの実戦だったが、6回1安打1失点(自責0)と快投。「正直、実戦感覚は1カ月ちょいじゃ忘れないですよ」と笑った姿は、男も惚れるかっこ良さだった。
当初は、こだわりが強く、話しづらい方なのかと身構えたが、実際接すると全く違った。明らかに年下の記者にも丁寧な敬語を使い、野球以外の雑談にもこころよく応じてくれる。〝根拠のある個性〟を持った偉大な右腕の今後に、期待しかない。