大橋兄弟擁する札幌山の手は21位 全国高校駅伝
■男子全国高校駅伝(25日、たけびしスタジアム京都発着、42.195キロ)
1区は兄・大橋正
4年連続14回目の出場となった札幌山の手は、2時間7分8秒で21位だった。エースの大橋正昊(まさひろ、3年)が1区で区間20位と流れを作る走りを見せる。後続の選手たちも大崩れすることなく安定したレースでタスキをつなぐと、正昊の弟であるアンカーの大橋史空(ふみたか、1年)がゴール直前での競り合いを制して、21位でゴールした。
チームを率いる梶山一樹監督(51)は報道陣の取材に「可もなく、不可もなく。外す選手もいなければ、大爆発する選手もいなかった」と苦笑いを浮かべてレースを振り返った。
3区・ゲノスが14位まで押し上げ
指揮官の言葉通り、アンカーの大橋史が区間30位だった以外は、6人全員が区間17位から23位の間で走りきった。チーム順位も、3区のキプゲノ・ゲネス(1年)が14位まで押し上げた以外でも、18位から21位の間でタスキを渡し続けた。派手さはないが、安定して力を発揮できる選手を7人そろえられたことが、この成績からもうかがえる。
全国の強豪ランナーがそろう1区で奮闘した大橋正は「7キロ地点まではいい位置で走れたと思うけれど、7キロから8キロで急激にペースが上がったところにしっかりと対応できず、自分としては納得できない結果だった」と振り返る。進学先は未定だが、関東の大学で競技を続ける意向。11月には5000メートルで13分59秒82と、13分台をマークした将来有望なランナーは、来年以降の大学3大駅伝への出走を見据えている。
弟・大橋史はトラック勝負で意地
弟の大橋史は、藤枝明誠(静岡)とゴール前まで続いた猛烈な競り合いを制し、21位を守り抜いた。「先輩がつないできたのに1つ順位を落としてしまったので、これ以上落としてはいけないと思った」と、先輩たちへの感謝の思いをトラック上で表現した。
最初で最後となる兄弟での都大路挑戦。兄・正昊は「兄弟2人そろって走れる経験はないので、チームに感謝です」と感謝を口にすると、弟・史空も「お兄ちゃんから走り出して、自分が最後に終わらせるというのを、ラストチャンスでできてよかった」と喜んだ。
梶山監督「可もなく不可もなく。だけど進化しているかな」
今回出走した7人中5人が1、2年生。今年の都大路での経験を糧として、来年再びこの舞台へ戻ってくるための戦いが始まる。再び「可もなく、不可もなく」と口にした梶山監督は、その言葉の終わりに「だけど進化しているかな」と付け足した。全国でも安定した戦いができる力はすでに身につけている。そこにレースを一転させる爆発力を兼ね備えることができれば、さらに上の順位も見えてくる。来季の札幌山の手の〝進化〟に注目だ。