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2023/01/10 11:30

道新スポーツ×鶴岡慎也釣り企画③濃密な引退後の1年を振り返る

鶴岡さんは現役引退から1年、手探りだった日々を振り返る。

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好評釣り企画第3弾 ブルペン捕手として加わった侍JAPANを語り尽くす

 鶴岡慎也さん(41、野球評論家)が、釣りをしながら緩い空気で野球やプライベートを語る新企画。第3回の連載では引退してから約1年が経過した鶴岡さんが、忙しくも充実した日々を振り返ります。昨秋からブルペン捕手として加入した侍ジャパンでの出来事や、直接ボールを捕ることで感じた一流投手たちの秀でた能力について語ります。(取材は2022年12月19日に行いました)。

釣り糸を垂らしながら述懐 激動の解説者1年目

 グラウンドを離れても前向きに、真摯に仕事と向き合う姿は変わらない。醸し出すポジティブな空気が、無謀とも思える釣り企画を成立させた。気温は氷点下7度。極寒の噴火湾に身を置いた鶴岡さんは「北海道っぽくて良いですね。釣りは厳しい季節もやらないと。この時期にしか釣れない魚がいるからね」。カジカを狙い、竿を振ってはリールを巻く。大物の手応えを得られぬまま入釣から既に4時間以上が経過していた。

 風が強まり、雪が舞う。寒空の下で鶴岡さんは激動の1年を思い返した。選手としての晩年は現役にこだわり続け、日本ハム退団後も最後まで移籍先を模索した。引退を決断した瞬間、多くの不安を抱えたまま第2の人生が始まったという。

NGなし! あらゆる仕事にチャレンジ

 「いただいた仕事は全部やりました。全てが手探りです。ラジオの仕事にも挑戦して、最初はこんなことできないって思ったけど、人間やればできるものだなって気が付いた。人間関係も180度変わりました。チーム関係者とばかり付き合って生活してきたけど、外の人といっぱい会えて楽しいですよ。いつかまたユニホームを着たくなると思うけど、今はまだ外から野球を見ていたい。色々と社会勉強をしないといけないですね」

 裏方としての働きも人生の大きな刺激になっている。侍ジャパンに昨秋からブルペン捕手として加わった。現役時代には叶わなかった憧れの代表ユニホームに袖を通し、さまざまな感情が湧き上がった。

憧れだったJAPANユニホーム 裏方として代表入り

 「選手として侍のユニホームを着られなかったので、プレーした人間にしか分からないプレッシャーがあるんだろうなって。チームでは中心選手でもそれぞれ役割が変わる。みんなが緊張感を持っていたし、WBCの本戦になったらもっと空気が張り詰めそう。それでも、うらやましいなぁ…って目で見てました」

 球界のスターが一堂に集うドリームチーム。その舞台裏で、大きな衝撃を受けていた。各球団の主力投手のボールを実際に受け、その実力を肌身で感じ取った。

1年ぶりに生きたボールを捕球 巨人・大勢 DeNA・今永に感銘

 「ジャイアンツの大勢投手はすごかった。こんなにも威力のある真っすぐを投げるのか、と。新人記録のセーブ数を挙げたのも納得です。久しぶりに馬力のある投手を近くで見ることができました。DeNAの今永投手はWBC球への適応力が素晴らしい。すぐに変化球も安定して、真っすぐも良い。やっぱり器用だな、と感心させられましたね」

 投手の生きたボールを受けるのは約1年ぶり。「引退して、現場を離れて全部の感覚がなくなった」とこぼす。鶴岡さんはブランクを埋めるため、多忙な日々の合間を縫ってひっそりと練習を重ねていた。実戦感覚を取り戻そうと、日本ハムの札幌屋内練習場や2軍施設のある鎌ケ谷へ出向き、わずかな時間でも準備を進めていた。

本番には大谷やダルビッシュも参戦 「俺、大丈夫!?」

 「現役の時は球が怖いなんて思ったことはなかった。栗山監督は余裕で捕れるでしょ? って感じて呼んでくれたけど、捕るのはメッチャ怖いですよ。佐々木朗希投手のフォークは恐怖しかなかった。落ちがまだ安定してなくて、伸びてきたりスッゲー落ちてきたり。WBC本番は大谷翔平投手やダルビッシュ投手も来る。俺、大丈夫? 捕れるかな?」

 ※次回掲載は13日。昨秋からスタッフとして侍ジャパンに加わった鶴岡さんが、大リーグから参戦するダルビッシュ有投手、大谷翔平投手について語ります。かつて女房役としてコンビを組んだ〝日本のエース〟に抱く期待とは。最終回もお楽しみください。


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