【年末特別企画】ドラフト1位・矢沢宏太インタビュー 将来は解説者!?「成り上がり計画」大公開
思い描く未来予想図を単独インタビューで披露
YAZAWAの「成り上がり計画」発表! 日本ハムのドラフト1位・矢沢宏太投手(22)=日体大=が、道新スポーツのインタビュー取材で今後の人生プランを明かした。1、5、10、15、20、30年後の理想の姿を思い浮かべながら、壮大に夢を描いた。いばらの道であることは百も承知。同姓のロック歌手・矢沢永吉(73)のように、困難を乗り越えてビッグスターに成り上がってみせる。
まずは開幕スタメン そして新人王
いよいよ、YAZAWA伝説がスタートする。高校3年でプロ志望届を提出した際には一度、夢破れたが、逆境をバネに大学で飛躍。ドラ1入団を勝ち取った。迎えるプロ1年目。投打二刀流に挑む22歳には、手に入れたいタイトルがある。
「まず開幕スタメンで出ることが一番近い目標です。そして、1年間しっかり試合に出続けられるレベルであれば、新人王も見えてくる。具体的な数字の目標は、僕の場合は起用方法によって変わると思うので立てられないですけど、新人王を狙っていきたい」
スターは、誰もやったことがないことをやる。矢沢が狙うのは、来季から導入される「大谷ルール」(先発投手兼DHとして出場した選手が、降板後もDHとして打席に立つことができるルール)の第1号適用者だ。
「日本ではまだいない。1番最初を狙っていきたい。僕にとってはすごく大きなこと。やっぱりそういう選手(二刀流選手)がいるからこそ、そういうルールが適用される。いろんな方が、そういう新しいルールでやる野球を見たいと思うので、僕が新しいチャレンジをしていけたらなと思います」
結婚願望ありも 「活躍しないと難しい。野球をしっかり頑張る」
入団から5年後に視線を飛ばす。プロの世界にも慣れ、脂が乗り始める頃だ。二刀流としての起用法も確立されているかもしれない。どんな姿をイメージするのか―。
「プロの世界は最初の3年が勝負。そこでしっかりと結果を出して、5年目となればもうチームの中心、そういう存在になっていければいい。毎年良い成績を出し続けたい。足が自分の持ち味なので、盗塁王であったり、そこでも貢献できるようにやっていきたい」
年齢は27歳になる。プライベートでは、結婚も視野に入ってくる年頃だ。矢沢流の人生プランでは早期の〝ゴールイン〟を望みつつも、野球第一の姿勢を強調した。
「結婚願望はあります。自分一人でやるのも、家庭を持って誰かのために頑張るのもどっちも大事。最初は寮に入って、基礎的なものをしっかりつくって、その先はなるべく早く結婚できたらいいですね。ただそうなるには、野球選手としてしっかりと結果を残して、家族を養えるくらい活躍しないと難しい。野球をしっかり頑張っていきたい」
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侍ジャパン入りも視野 「世界一を目指したい」
入団から10年がたつ頃には、目線が世界へと向くようになる。32歳。「侍ジャパン」入りは、常に心にある目標の一つだ。
「ジャパン、やっぱりそこは狙っていきたい。大学代表でジャパンのユニホームを着させてもらった。ジャパンでの活動の期間にすごく成長できたので、さらにレベルの高いところでプレーしてみたい。ポジションはどこでもいいので、代表に入って世界一を目指したい」
チームには吉田、野村ら同学年が多く在籍する。厳しい世界ではあるが、全員が主力となり、一緒に新球場のグラウンドに立つ10年後を想像している。
「そういうチームメートと競い合いながら、日本のトップレベルで野球がしたい。同学年がみんなスタメンで試合に出るっていうのもやりたい。仲間でありライバルだと思うので、同年代に負けないようにしたいです」
通算打率3割に2000本安打 〝引き際〟もすでに想像
15年後は、37歳。スター選手になった矢沢はついに、現役を引退する。理想の引き際に「エスコンフィールド北海道での盛大な引退セレモニー」を掲げ、矢沢永吉の来場にも期待した。
「最後、矢沢さんに来てもらえるような選手になっていたいですね。チームに貢献した選手が引退する時には盛大に送ってくれると思うので、僕もそういう選手になりたい。通算3割、2000本安打も狙いたいですし、投手では役割に応じたタイトルを獲って。そのくらいの成績は残さないといけないですよね」
華々しい引退セレモニーには、家族の姿もあるはずだ。野球でスポットライトを浴びる人生を過ごしてきた男は幸せな家庭で、酷使してきた体と心の疲れを癒やすのだろう。
「子ども好きなので、ほしいですね。何ならペットもほしい。(理想は)子ども2人で、一緒にワンちゃんも育てる。いきなりは大変だと思うので、子育てが落ち着いたらワンちゃんも一緒に育てていくっていうのが、何かいいですよね。子どもには自分が野球をしている姿を見せたいです。でも野球をやらせたいかっていったら、苦しい部分がほとんどなので、強制することはないですね」
解説者としての理想はサッカーの本田圭佑
42歳となった20年後には、ひそかな野望を持っている。試合の放送席に座る解説者になること。カタールで行われたサッカーW杯で名解説を披露した本田圭佑にも大きな刺激を受けた。
「野球に貢献したいですし、解説者をやってみたいですね。僕はそんなに面白いことは言えないですけど、本田さんの解説の視点がすごく魅力的だった。シンプルに思ったことを言う解説で、すごく面白かったですよね。少し前に大学のOB戦で、たまたま解説をやる機会があったんですけど、その時は『矢沢さん真面目すぎないっすか』って後輩に言われました。まだ難しいですね」
指導者として「野球の勉強をたくさんしなきゃ」
最後は30年後。52歳になった往年の名プレーヤーは〝二刀流の伝道師〟となり、自分にしかできない指導者の道を歩むつもりだ。
「例えば大学で結構ラフな感じで野球をやるとしたら、野手をやっている人でもみんなピッチャーをやりたがる。逆にピッチャーをやっている人が『俺ショートやりたい』とか、違うポジションに就くことがすごく多い。みんな、できればどっちもやりたいって思っている。それが当たり前になってきたら面白い。なので本当に野球の勉強をたくさんしなきゃいけないなと思います」
勝負の時は近づいている。1月からは新人合同自主トレが始まり、厳しい競争のゴングが鳴る。「成り上がり計画」は、今はまだ夢プラン。一つずつ現実にししていくため、死にもの狂いでアピールしていく。