夏季スポーツ
2022/12/26 18:45

札幌山の手がエース一時〝不在〟でも快勝 11年ぶり頂点まであと2勝! ウインターカップ女子準々決勝

エース森岡に代わってPGを務めた寺岡(左)がシュートを決める(撮影・富田茂樹)

■ウインターカップ全国高校バスケットボール選手権 第4日(26日、東京体育館)

▽女子準々決勝 札幌山の手92―76千葉経済大附高(千葉)

森岡が3ファールで3Q序盤までベンチに下がるもチーム一丸

 札幌山の手が2年ぶり6度目の準決勝進出を果たした。先発したU18日本代表のPG森岡ほのか(3年)が第1クオーター(Q)に3つのファウルを重ね、第3Q序盤までベンチに下げざるを得ない事態に陥ったが、寺岡海(3年)がPGを務め、C岡井遥香(3年)が32得点をマーク。3年生を中心に大黒柱の穴を埋め、チーム一丸で勝利をたぐり寄せた。

司令塔代役の寺岡がゲームをコントロール

 ベンチに下がった森岡からの声援にコート上のメンバーがしっかりと応えて見せた。森岡不在の間、上島正光コーチ(79)は寺岡に司令塔の役割とSG野原一華(3年)の3点シュートをアシストするように指示。森岡がU18合宿などで不在の時には、寺岡がPGを担っており、不安はなかった。ペイントエリアでセンタープレーもこなす長身の森岡とはプレースタイルが対照的で「急に止まってのジャンプシュートとか、中に攻め込みすぎないでステップインでシュートとか。スピードを生かして、そこから展開するのが得意です。100パーセントではなかったけど、昨日よりはできた」と寺岡。冷静にゲームをコントロールすると、10得点5リバウンドでチームを支えた。

前日に精彩を欠いていた野原は3点シュート3本を含む13得点

 SG野原も前日のミスを挽回した。25日の明星学園戦では9得点2リバウンドも、1人でターンオーバーを5つ与えるなど精彩を欠き、この試合はベンチスタート。上島コーチから「パスミスは、自分たちのシュートの2点がなくなって、相手に2点を与えると4点分のミスになる」と喝が入った。さらに「ミスが多すぎて、寺岡と一緒には出せない」と言われ、「見返してやろう」と奮起。この日は第2Qの27-27の場面で3点シュートを決めるなど、3点シュート3本を含むチーム3位タイの13得点をマークした。

 野原の姉・里桜さん(兵庫・流通科学大2年)は2年前の4強メンバー。自らもベンチ入りしていたが、出場は初戦のみだった。27日の準決勝は、応援に来る姉の目の前で姉たちが記録した4強超えに挑む。「相手のガードを潰して、パスカットも狙う。スリーポイントでもチームに貢献できるように頑張りたい」と意気込む。

 森岡を一時ベンチに下げたのは、けがの痛みも考慮してのものだった。24日の初戦で右肘を痛め、この日も患部にテーピングを巻いていた。さらに明星学園戦から左足裏の母指球の皮が剥け、「切り返しのところで痛くて、踏ん張れなかった」とファウルを重ねた原因を話した。ベンチでトレーナーの治療を受けて第3Qに復帰。それ以降はアドレナリン全開で痛みを忘れてプレーした。

森岡「みんなが粘ってくれたので、自分もしっかりやらなきゃ」

 準決勝は、これまで2度の優勝を誇る岐阜女子と対戦。「みんなが粘ってくれたので、自分もしっかりやらなきゃっていう思い。みんなの頑張りがなかったら、この勝ちもない。(準々決勝は)みんなに勝たせてもらって、もう明日はしっかり自分がやりたい」。エースのアクシデントを逆にチームの成長につなげた札幌山の手。4強進出チーム中、唯一1試合平均100点超えの攻撃力で、11年ぶりの頂点へリーチをかける。

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