道新スポーツ✕鶴岡慎也釣り企画④ダル&大谷へ熱きエールを送る
好評釣り企画最終回(第4回)は番外編。竿を置いて侍ジャパンのWエースを語る
鶴岡慎也さん(41、野球評論家)が釣りをしながら緩い空気感で野球やプライベートを語る新企画。連載最終回は侍ジャパンのブルペン捕手として代表チームを支える鶴岡さんが、WBCに参戦するダルビッシュ有投手(36、パドレス)と大谷翔平投手(28、エンゼルス)への期待を語ります。(現地取材は2022年12月19日に行いました)
過酷な釣りロケ翌日 自ら追加取材を提案「今からやろうか」
カジカとアブラコを狙いながら釣果ゼロに終わった洞爺湖町での取材翌日、記者のスマホに鶴岡さんから連絡があった。極寒の噴火湾で長時間の取材に付き合ってくださった感謝を伝えると「取材足りてなかったでしょ? 今からやろうか!」との返答。日頃からお世話になりっぱなしの記者は、この日もお言葉に甘えて追加取材を申し込んだ。なんという優しさだろう。
前日は釣りをしながらじっくり話を伺おうと思っていたが、記者の予想は甘すぎた。そもそも大物が釣れず〝映える〟写真や動画の取れ高はゼロ。釣果を最優先としたため、現地滞在時間の8割方は立ちっぱなしで釣りに集中していた。さらに、寒さが追い打ちをかける。雪と風が舞う真冬の北海道。いくら着込んでいても屋外で動き回れば疲労がたまり、体が言うことを聞かなくなる。インタビューは行ったが、いくつかの質問は封印したまま取材を切り上げていた。
ダルと大谷が侍戦士たちの意識を変える
場所をあらためて尋ねたのは、ダルビッシュと大谷のWBC参戦表明について。かつてバッテリーを組んだ豪腕たちへの思いを、鶴岡さんは少しだけ興奮した口調で切り出した。
「過去にイチローさんが出場した大会では、大リーガーと対戦した時に『どういうふうな感じ』という話をしていたはずです。日本はメジャーに対して、どこか一歩劣っているという気持ちを抱いている。リスペクトしすぎて気持ちが後手に回ってしまう。そこでダルビッシュ投手や大谷投手が来て、経験や知識を話すことで『同じ土俵で戦える、絶対に勝てる』という意識を植え付けてくれると思います」
WBCの認知度アップ&野球熱上昇にも期待
相手の実力を冷静に見極め、勝者のメンタリティをチームにもたらす。2人のカリスマ性が日本躍進の原動力になる。「参戦してくれたことで、WBCという大会自体や日本の野球熱が一気に高まるはずです。世界で活躍する人が出場することで見る人の数も変わる。サッカーのW杯を見ていても、そう感じました。ダルビッシュ投手、大谷投手が与える影響はチームの内外に及んで、メディアやファンの注目が一気に高まります。とてつもなく良い影響をもたらしてくれると思います」
2人が中心となり、歴代最強と称される投手陣が結成されようとしている。打線は大谷と鈴木誠也(28、カブス)にポイントゲッターとしての役割を期待する。
日本ハムで成長を遂げた2人が核をなす
「どれだけの好打者や好投手が来ても、彼らは1対1の勝負に絶対負けない。投手陣は、ダルビッシュ投手や大谷投手が試合をつくってくれるから、その後に『どう抑えようか』と計算が立つ。日本の実績ある投手たちが役割をハッキリ認識することで、柱となる2人の周りを固めてくれる。打線は大谷選手、鈴木選手の前につなぐこと。メジャー組が加わることで核が3つにも4つにもなる。核が多いチームは強い。その中でも2人は日本ハム出身。北海道の人から見れば『わが町から旅だった選手』。より注目が集まります」
全力サポートを約束 「日本は勝ちますよ!」
世界各国の超一流が集う国際大会。大舞台の裏側で鶴岡さんは現役時代から憧れだった代表ユニホームに身を包み、チームへの献身を誓う。
「全力で2人を、全選手をサポートします。何年かぶりにダルビッシュ投手と大谷投手の球を受けられるのは、1人の野球人としてうれしい限り。ただ、観光気分ではいられないので、しっかり体をつくって行ってきます。どんなに大金を稼ぐメジャーリーガーでも、国を背負って戦う真剣さは通常のリーグ戦とは違うもの。ファンの皆さんには各国の野球の色を見て楽しんでもらいたいですね。回数を重ねるたびに洗練されるWBCで、どの国の野球が1番なのかを確認してください。日本は勝ちますよ!」
釣りの難しさ、奥深さをあらためて痛感 それでも衰えぬ情熱
突如始まった釣り企画。「素人に毛が生えた程度」の実力を自称する鶴岡さんと完全ド素人の記者では釣果が得られませんでした。真冬の北海道の厳しさを身をもって知りましたが、情熱は全く衰えてません。次回こそ大物を釣り、野球トークもさらに盛り上げたいと思います。「われこそは釣り名人! おすすめスポットを知っています」というファン、企業、自治体の皆さま。ぜひ道新スポーツにご意見をお寄せください。