注目のアーバンスポーツ「パルクール」が熱い! 北海道唯一のパフォーマー集団「JOKER CREW」を訪ねた
将来的に五輪競技採用も?
走って、跳んで、登って―、体一つで街中を駆け回る。それが次世代のアーバンスポーツ「パルクール」だ。競技パルクールは、24年パリ五輪での正式競技採用は見送られたが、将来の五輪入りが有力視されている。TBS系列で放送されたドラマ「アトムの童(こ)」の中ではeスポーツ競技の一つとしてゲーム開発されるなど、確実にその認知度は上がっている。
北海道にも、パルクールのパフォーマー集団「JOKER CREW」がいる。2018年に発足、日頃のパフォーマンスや練習のみならず、教室を開くなど、普及活動にも尽力している。リーダーの向山立(りゅう)さん(22)は「少人数のチームでやっているのは他にもあると思うのですが、教室や他のお仕事を受けたりしているのは、僕らが北海道内で唯一です」と話す。
8月に札幌で大会初開催
今年8月には北海道で初めて大会が行われた。サッポロファクトリー内で開催された「PARKOUR PREMIER CUP 2022 in 札幌」には国内トップの選手が集い、JOKER CREWからも2人が参戦した。
そのアクロバティックな動きから敬遠されることもあるが、メンバーの星信太朗さん(22)は「パルクールはいろんな形が許されるスポーツ。もっとカジュアルに、エクササイズみたいな形でやることもできますし、本当に老若男女、誰でも始められる敷居が低いスポーツです」とアピールした。
小学生から50代まで幅広い年齢層
そのためにもJOKER CREWは教室を開いている。コース別で教えるなど、門戸を広くしている。現在は小学生から40~50代まで幅広い年齢層の人が通っているそう。「順調にお客様も増えてますし、知名度も上がってきていると思います」と向山さん。地道な活動は着実に結果として現れている。
パルクールと北海道の結びつきを、さらに強くすることが目標だ。向山さんは「北海道は(パルクールが)まだ未開拓の状態なので、そこの第一人者、北海道のパルクールシーンを引っ張っていけるような団体になれたらいいな、と思っています」と力強く言い切った。北の大地からも、パルクールの裾野を広げていく。
■プロフィール JOKER CREW (ジョーカー・クルー) 北海道唯一のパルクールパフォーマンス集団。2018年に発足。メンバーは12人で、弁護士や医者から高校1年生までと幅広い構成。札幌市東区に自ら練習施設を作り、教室も開講している。
フランス発祥のスポーツ
◆パルクールとは フランス発祥の「移動動作」で心身を鍛える運動方法。街や森で、自由にスタートとゴールを決めて、障害物を越えることで体を鍛えていく。「スポット」と呼ばれる周囲の環境で練習する。スポットに条件はなく、街中・公園・森・岩場など、いかなる環境もスポットとなる。また近年ではパルクールパークやパルクールジムと呼ばれる専用の練習場の整備も進んでいる。今年は東京で第1回世界選手権が開催された。競技種目としては、技を披露し、その点数で競う「フリースタイル」と、スタートからゴール地点までに設置された障害物を越え、そのタイムを競う「スピードラン」などがある。