夏季スポーツ
2022/12/28 18:30

花園初陣の立命館慶祥 初戦で大敗も意地のトライ 全国高校ラグビー

果敢に攻めこむ立命館慶祥のCTB三浦(中央)=撮影・高橋義英

■全国高校ラグビー大会 第2日(28日、東大阪市花園ラグビー場)
▽1回戦 立命館慶祥7-34石見智翠館

 1回戦が行われ、初出場の立命館慶祥は、石見智翠館(島根)に7-34で敗れ初戦敗退となった。試合終了間際にCTB三浦遼太郎(3年)が意地のトライ。初めて聖地・花園に足を踏み入れ、同校の歴史に新たな1ページを刻みつけた。

0-34から三浦が意地のトライ 「チームがつないでくれた」

 前半は相手にボールを保持され続け、ほとんどの時間、自陣でのプレーを強いられた。苦しい展開となるが、粘り強い守備で必死に耐える。2トライを決められたものの、ディフェンス面での奮闘が光った。

 しかし後半、耐え続けてきた守備網を突破され、4トライを許す。スコアは0-34。それでも最後まで諦めずに戦い続けた。試合終了間際の後半29分、花園舞台で初のトライが生まれた。CTB石岡泰一(3年)からパスを受けた三浦が、相手のタックルを振り切って独走。最後はインゴール内に、右手に抱えたボールとともに思いっきり飛び込んだ。

 三浦は「自分だけのトライではなく、チームがここまでつないできてくれたトライだったのかなと思います。『来たな』『やっとトライだ』という心境でした」と振り返った。

 コンバージョンも決めてスコアを7-34とした立命館慶祥。しかし反撃はここまで。全国2勝を目標に掲げていたチームにとって、悔しい初戦敗退となってしまった。

初の聖地 久保田主将「楽しくプレーできた」

 初めての全国大会を、最高の舞台で戦った。この日の試合会場となったのは、花園ラグビー場の第1グラウンド。2019年のラグビーワールドカップ日本大会の試合会場にもなった。言わずと知れた日本ラグビーの〝聖地〟だ。チームを率いる松田祐一監督(43)は「最高のグラウンドで、応援もたくさんいて、すごく良い環境でプレーできました。私からしても本当にうらやましい」。自身の憧れも含め、聖地で戦えたことへの喜びを口にした。主将のSO久保田慧(3年)も「楽しくプレーできた」と、聖地で戦った60分間を振り返った。

 〝打倒札幌山の手〟を掲げて立命館慶祥に集まった3年生たちが中心となり、その目標を見事に成し遂げた。そしてたどり着くことができた全国の舞台。松田監督は「3年生がスタンダードを上げてくれたので、またそういったところを目指してチームづくりをしていくことができる。選手もそうですし、私としても指導する中で、かなり変化が出てくるかなと思います」ときっぱり。全国大会での経験が、チームのさらなる成長につながることを期待している。

聖地に刻んだ1トライ 初勝利は次回に持ち越し

 初出場、初の聖地、初トライ。初物づくしの大会となったが〝初勝利〟だけは今大会で果たすことができなかった。忘れ物を取りに行くため、再びこの地に戻ってくる。

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