コンサドーレ
2022/12/31 18:00

哲学の根底にあるもの 年末特別インタビュー連載《ミシャイズム再考》③

インタビューに答えるペトロヴィッチ監督

■年末特別インタビュー
北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(65)のインタビュー連載「ミシャイズム再考」の最終回は、その哲学の根底にある部分に触れてみたい。

クラブへの思い「キャリアが終わってもいい。強くなるために全身全霊でチームをつくる」

 「私は常に自分が所属するクラブに対して、自分のキャリアがここで終わってもいい、という思いで仕事をしている。そして常に自分のクラブがベストだと思っている。とにかくクラブが強くなるために全身全霊を懸けてチームをつくり、戦う。私自身は、何が何でもお金を掛けてチームが勝ち、名声をとどろかせようとは思っていない。例えば30億円のお金を掛けて選手を補強し、優勝争いをするようなチームはつくるが、次の年にクラブが破産してしまうような仕事はしたくない。私は常にクラブと『予算に合ったチームをつくっていこう』『クラブの経営は健全でなければいけない』という話をする。その与えられた環境の中で、与えられた素材の中で、チームをつくり、選手を育てていく。だからこそチームは私が去った後も、その後を引き継ぎ、長く繁栄していってくれれば。そういう仕事を常に私はしたいと思っている」

 クラブの身の丈に合った規模でチームをつくり、選手を育成して攻撃的なサッカーを根付かせ、なおかつ結果をしっかりと出す。そんな難解とも思えるミッションに自身の情熱とパワーを惜しみなく注ぎ、幾度となく結果を出してきた。

現役時代の師がルーツ「守備というのは攻撃と背中合わせ」

 連載の第1回で、1―0で勝利している試合の終盤、指揮官はあえて攻撃的な選手を投入するという話をしたが、なぜその考えに至ったのだろうか。そのルーツについても話をしてくれた。

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