冬季スポーツ
2022/12/30 21:00

高木美帆3冠締め! 女子1000もリンクレコード 「いろいろな収穫があった」 全日本スピードスケート選手権

女子1000メートルもリンクレコードで制した高木美帆(撮影・桶谷駿矢)

■全日本スピードスケート選手権大会 最終日(30日、青森・YSアリーナ八戸)
▽女子1000メートル

4種目中3種目でリンクレコード

 圧巻の3冠を飾り、2022年ラストレースを終えた。今大会4種目最後となった女子1000メートルに臨んだ高木美帆(28、日体大職、帯南商高出)。北京五輪で金メダルを獲得した同種目では1分14秒65を記録し、4種目中3種目でリンクレコードを更新するなど、この3日間で高木美帆らしさを存分に見せつけた。

次のステージへ立ちはだかる問題

 五輪のメダルラッシュで幕を開けた今年も終了し、年明けから今シーズン後半戦に向かっていく。「(自らに)問う時間も多かった。少しずつ問い続けてきたものを表現していきたい」と意気込みを語った。

 北京五輪を終えてからはナショナルチームを離れ、ヨハンコーチと二人三脚でここまで進めてきたが、難しさにも直面している。詳細は明かさなかったが「チームをこの先も2人でやっていきたいって思っているわけではない。ここからどうやって大きくするかを考えた時に、いろいろ立ちはだかる問題はあります」と現状を分析。

 W杯連戦後の体力面はもちろん、精神面でも難しい大会となった。オールラウンダーで活躍する高木は、どの種目でも目標とされる立場。現に今大会の女子500メートルで2位だった稲川も「世界の表彰台でトップを取っている人が日本にいる。小平さんとか、(高木)美帆さんのおかげで世界が近い」と話す。

「限界に挑戦するところに(気持ちが)向いてなかった」

 トップの座は簡単に明け渡さない―、という気持ちがあるからこそ、勝つことが重要だった。しかし、他の選手よりも高みにいる高木は、これまでの実績と経験を踏まえ、自ずと勝てるレースプランを設定していた。

 それが顕著に表れたのは29日の3000メートルだ。リンクレコードを記録しながらも堀川に敗れ、2位に終わった高木は「見積もりが甘かった。私がもっと速いタイムで滑りたいっていう気持ちが甘かった」と認めていた。全日程を終え、改めて「自分の限界に挑戦するみたいなところに(気持ちが)向いてなかった」。

 そういったことも含めて、得たものは多かったようだ。「体の使い方とか、こういうことが起きてるかもしれないみたいなことも、自分の中で少しずつ理解してるのかなっていうような感触もあった。大会のトータルとしては、いろいろな収穫があった」。さらに強くなるための助走を付けて、2023年へと向かう。

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