旭川実女子は悔しい1回戦負け 2年生エース・笠井20得点も実らず「来年は全てのボールを決めきれる選手に」春高バレー
■全日本バレーボール高校選手権 第1日(4日、東京体育館)
▽女子1回戦 旭川実0-2鹿児島実
第1セット競り負け、流れ傾く
2年連続31回目の旭川実は0―2で鹿児島実(鹿児島)に敗れた。1セット目を23―25の競った展開で落とすと、流れは一気に相手に傾いた。2セット目は19―25でストレート負け。
岡本祐子監督(44)は「やってきたことが、ちょっと出し切れなかった。様子を見ながらやってしまう癖がどうしてもある。全国大会となると相手も予選を抜けてきているチームなので、そこで(流れを)持っていかれちゃった」と試合の入りを悔やんだ。映像で鹿児島実をしっかり分析していたが、横からの映像が多く、いざ対戦すると違いを感じたという。ブロックはずれ、2セット目は5連続失点を与えるなど、流れをつかめなかった。
高校最後の試合を終えた佐々木楓華(3年)は、真っ赤に目を腫らしていた。「3年生が1、2年生を思い切りプレーさせるっていうことができなかった。そこが一番悔しい」と自らを責めた。卒業後は千葉・明海大に進み、バレーを続ける予定だ。
エース・笠井徹底マークに苦しむ
U18日本代表でも主将を務めたエース・笠井季璃(2年)は相手の徹底マークに苦しんだ。「(ブロックは)1枚もビッシリついて、2枚っていうのが当たり前だったので、そこをどう打ち抜くかっていうことだったんですけど、やっぱり対応されていた。そこをもう少しうまく打ち抜けたらよかった」と唇をかんだ。それでも北海道ナンバーワンアタッカーとして、爪痕は残した。299センチの最高到達点から繰り出される強烈なスパイクのみならず、ブロックに当てて外に出し、さらにはフェイントで緩急も付けるなど、得点パターンが増えた。昨年は10得点だったが、この試合では20得点と倍増した。
笠井に涙はなく、早くもリベンジに燃えていた。「来年この舞台に帰ってくる時には、全てのボールを決めきれる選手になって帰ってきたい。今の自分だったら全然全国にも通用しないと思っている。来年は30点得点以上狙えるような選手になりたい」セッターの井関芹花(2年)や、アウトサイドヒッターの滝口空楽(1年)ら下級生も大舞台で経験を積めた。岡本監督は「育成をしていかなければいけない選手がまだまだ多い。来年のこの場所でどうやって花咲いてくれるかなっていう楽しみはあります」。笠井を中心とした新チームでさらなる上積みを狙う。