【宮西尚生 一問一答】今季中に400ホールド「こんなに1ホールドって難しいんや」
年末年始は4勤1休「今のところは達成感のある年末でした」
―年末年始はどう過ごしたか
「練習です。オーバーワークになるので、そんな昭和的なトレーニングはしないですけど、しっかりと4勤1休で、基本的には野球の練習を基盤にしたスケジュールで動いてました。結構追い込んできているので、今のところは達成感のある年末でした」
―初詣は行ったか
「1日はさすがにね、家族サービスというのもあったので、1日だけはしっかり休んでお参りに行きましたよ。願い事? いやいや、そんなの家内安全でしょ。そんなことで野球のことは拝まないです(笑)」
―おみくじは引いたか
「引きましたよ。なんかね、僕が行っているところは半吉っていうのがあって、半吉やったんでなんとも言えないです。内容的にはすっごい悪かった。願い叶わずって書いていました」
―それを覆す活躍を
「祈ることって大事だと思いますけど、そこに頼らない自信をこの練習でつけたい。やっておけばピンチの時でも自信を持って投げられると思うので。その辺の後悔がないように今年はトレーニングに挑んでいる」
左肘は最終段階「ここさえ乗り越えられれば、もう気にならずいける」
―手術した左肘の状態は
「最終段階くらいかな。ここさえ乗り越えられれば、もう気にならずいけるんじゃないかなという感じ。体はここ数年に比べたらケアもできたし、リハビリっていう過程はあったんですけど、10月くらいから本当に一から細かく体をつくっていけたので、今がピークで良いかなと思っています」
―ブルペンに入った。例年より早いか
「早いですね。ここ5、6年はほぼ(マウンドに)立たずにキャンプに入っていた。この時期に入ったのは25歳とか、それぐらい以来じゃないかなと思います」
―インスタグラムを始めた経緯は
「あれは僕のラジオ番組でやるって言ったんで、有言実行しました。シーズン中はやらないと思います」
自分のことだけ考える「常に勝負、後ろのピッチャーのことは考えない」
―今年は個人のことだけを考えると話していたが、これまでにはなかったことか
「なかったですね。チームのことって何かしら考えて、責任を負って勝ちパターンとしてずっとやってきたつもりだったので。自分の結果だけのために考えながら練習しているのは1年目以来かもしれない。次のリリーフを用意しているだろうな、じゃあこのバッターをどうしようとか、最悪、歩かせてもいいんじゃないかとか、そういうシチュエーションによって考えてずっと投げていましたけど、そういうことは一切、考えない。常に勝負。そういう意味で、自分のことだけを考えて投げたい。ほんまにバッター勝負。後ろのピッチャーのことは考えない、みたいな。そんな感じでいきたいなと思います」
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―現在通算380ホールド。上原浩治さんが、通算400ホールド達成なら名球会入りの資格があるのでは、と話していた
「名前を広めてもらって感謝しています。僕もこのプロ野球に入って、ホールドって何やねんってところから始まって、ホールドの意味をしっかり理解できるようになってから山口さんの記録(273ホールド)をずっと目標として投げ続けてこられた。去年(連続50試合登板の)記録は途切れましたけど、記録があったから投げ続けられたという良い部分もありますから。野球自体が分業制に変わっている。そういう意味で、そういう目標が若い選手たちの目標になると思うので、リリーフには記録が少ない分、何かあればモチベーションが変わってくると思う。上原さんみたいな実力と人気のある人がああやって言ってもらえるのはすごく光栄なことです」
「結果を出せば監督も使う、出なかったら使われない」
―残り20ホールドを今季中に
「400はいきたいですね。今まで20ホールドなんて簡単やったのになー。そこは区切りよく目指したい。勝ちパターンに戻れたら絶対にいけると思うので。あとは自分が結果を出すだけ。結果を出せば監督も使うだろうし、結果が出なかったら使われないだろうし、ここははっきりしていること。結果を出すだけかなと思います」
―1ホールドの重みは変わってきたか
「変わってないつもりではいたんですけど、改めてそう聞かれると変わったかもしれないね。今まではそういう(ホールドが付く場面での)登板ばっかりだったので、それが去年なくなって『え、1ホールドってこんなに取るの難しいんや』って。その条件に達しないと取れないわけですし、そこに立たせてもらって結果を出さないといけない。こんなに1ホールドって難しいんやって最近は思っています」
堀、長谷川―後輩を育てるのも先輩の役目「ま、負けんけど(笑)」
―最初の実戦でのアピールを重要視しているか
「もちろん1発目から(結果を)出し続けないといけないって思いは常に持っています。だけど、1試合目から力み過ぎて、下手こいたときに気持ちが折れちゃう可能性もある。そういう意味では慌てていないです。自分のリズムで、自分の投げたい球を思い切って投げて向かっていきたい」
―堀、長谷川と合同で自主トレをやる。ライバルでもある救援左腕と一緒にやる意図は
「ライバルとは思っていないよね、俺は別に。年の差もあるし、もちろん野球人としたらそこに負けていられない、勝たないと投げられないっていうのはあるんですけど、難しい立場でしょ、だって。後輩を育てるのも先輩の役目だと思うし。だから別にあいつらが結果を出すのはすごいうれしいことだし。まあでも、糸井さんが引退する時に悔しくなくなったから引退する、みたいなことを言った意味は分からんでもない。それだけの立ち位置に来ているのかなという思いは、もちろんありますよ。ま、だけど、負けんけど(笑)」
「僕はほとんどスライダー一本。もう一回、磨き直してチャレンジしたい」
―技術的に新しいことに取り組むことはあるか
「新しいことを試す年齢でもない。常に向上心を持たないといけないとは思いますけど。僕はプロに入って、金子(誠)さんとか、建山さんとかに『おまえの持っている武器を磨き続けろ。それが長くできる秘訣(ひけつ)や』って言われた言葉が僕の中で印象的だった。だから僕はほとんどスライダー一本で生きてきたわけで。もちろんフォームとか細かいことに挑戦することはありますけど、何かを大きく変えるっていうのは僕の野球の道ではないって思っているので。それするなら辞めようっていう。今の自分の球をもう一回、磨き直してチャレンジしたいっていう思いですね」
―手術したことで、トレーニング面でオフに変えたことは
「手術して、あとは今まで投げすぎたこともあって、ずっと小指の方の力が全く入らなかった。それを鍛え直すトレーニングをしている。あと今年やりだしたのは、朝1時間、絶対に歩きます。ちょっとダイエットできたらいいなーっていうのと、足でしっかり(地面を)かんで意識しながら歩くのは、すごく体のバランスが良くなる」