とわの森男子 7年ぶり春高で見事1勝! 後藤監督「子供たちに感謝しかない」
■全日本バレーボール高校選手権 第1日(4日、東京体育館)
▽男子1回戦 とわの森2-1高知
7年ぶりの大舞台で躍動した。10回目の出場を果たしたとわの森は高知(高知)とフルセットを戦い、2―1で競り勝った。前回出場した2016年大会以来の勝利となった。自身の春高初勝利となった後藤優介監督(39)は「子供たちが頑張ってくれて、僕自身も楽しませてもらったので、感謝しかない」と全国の舞台でも臆せず、伸び伸びと戦い抜いた選手たちをたたえた。
山田健斗(3年)が「いつも以上に(動きが)硬くて」と話していた通り、1セット目は雰囲気に飲まれていたが、2セット目以降は持ち味の明るさを存分に発揮。どこからでも得点を奪える〝とわの森ワールド〟に引きずりこみ、鮮やかな逆転勝利を飾った。
オポジット東小野が要所で活躍
その鍵となるのがオポジットに位置する東小野空(3年)だ。平均身長の低いとわの森は、相手ブロック3枚に対し、バックアタックも含めて4枚のオフェンスで数的優位を作ることに重きを置いている。その中で東小野の存在は貴重だ。172センチと小柄だが、後藤監督は「ファーストボールに入らないといけない中で、リベロと守備力の高い東小野が1本目をタッチしてくれると、バックアタックは必ず入ってこれる。そういう意味では守備固め的な要素がある。ディフェンシブなオポジット」と力説するほど、信頼は厚い。東小野自身も十分に役割を理解している。「ライトの選手は決まってナンボだと思うので、相手のブロッカー陣を引きつけて、エースの2人が決めてくれる。おとりでもある。サボったら終わり」と汗をかくことを厭わない。
マネジャー製作「笑え」横断幕が効果
5日に対戦する2回戦の相手はインターハイ王者の東山(京都)となるが、強力な味方も付いている。試合中「笑え」と書かれた横断幕が掲げられているが、マネジャー3人が考えて作ったもので、昨年11月の全道大会から張り出している。そのうち2人のマネジャーは帯同していないが「選手のためにできることはないかって言って、あの子たちが作ってくれた。やっぱりいい顔して、バレーしてる時が一番いいプレーできる」と後藤監督は感謝の気持ちを示した。
チーム一丸で強豪に立ち向かっていく。エースの山田は「1セット目から自分たちのおもしろいバレーをみなさんに届けて、いい試合をしたいと思います」。3月に勇退する山田和弘総監督(65)の花道を飾るためにも、大金星を狙う。