J1札幌 宮澤裕樹「コンサドーレは僕の核」 主将インタビュー《共に歩む》後編
■新春特別インタビュー
北海道コンサドーレ札幌が「エレベータークラブ」と揶揄されていた頃、J2で戦うシーズンが長くなる中で、多くの選手が他クラブへと巣立っていった。もちろん、MF宮澤裕樹主将(33)にもそういった道を選ぶことができる機会はあったが、その都度、札幌へ残ることを選択してきた。「全然、悔いはない。このチームで達成すべき目標をまだ達成していない。何かしらのタイトルを獲ることを目指してやっているので、そこに向けてチャレンジしていくだけ」。あくまで地元、北海道にタイトルをもたらすことに拘っている。
西大伍らの復帰でトップレベルの経験を還元「(昔は)考えられなかった」
宮澤が主将となった16年、札幌は5年ぶりにJ1に昇格し、それ以降はJ1に定着し続けている。すると、J2時代には想像もできなかったことが起こるようになってきた。「(西)大伍君のようにトップレベルのサッカーを経験して、海外のトップレベルのチームと試合をして、何度も優勝をして戻って来てくれるというのは、その経験を還元してくれるので、本当にチームにとってありがたいこと。自分では還元できない部分なので。そういう人が戻って来られる環境にチームがなった。活躍して出て行った選手が、もう一度、バリバリの状態で札幌で上を目指したいというチームになってきた。これは(昔は)考えられなかった」。札幌がステップアップのためのクラブではなく、タイトルを目指して勝負できるクラブに進化したことを実感している。
23年シーズン、チームとしての目標はどこに置くのか。今季のJ1は18クラブで戦い、J2に降格するクラブは最下位クラブの1チームのみ。それでも宮澤は「カップ戦も獲りたいし、ACLも行きたい。22年は久しぶりに下位のドキドキ感を感じたけれど、これじゃない。勝負が楽しいと感じられるのは、上位のところだったり、ルヴァン杯の決勝、準決勝とかそういうところ。それは絶対に今季は多く感じたいし、その状況でピッチに立っていたい」。選手の〝本能〟として、純粋に「高いレベルで勝負したい」という思いが強くある。