とわの森男子 夏の王者・東山に完敗 勇退の山田総監督「最後はよく頑張ってくれた」 春高バレー
■全日本バレーボール高校選手権 第2日(5日、東京体育館)
▽男子2回戦 とわの森0-2東山(京都)
完敗だったが、らしさは見せられた。4日の1回戦を突破したとわの森は、東山(京都)と対戦。0―2のストレート負けを喫したが、207センチの麻野堅斗(3年)擁するインターハイ王者相手にも果敢に立ち向かった。
第1セット21-20から逆転負け
シードに入った相手にとっては初戦。1セット目を後藤優介監督(39)が「硬さもあるだろう。付け入る隙はある」と話したように、1セット目は勢いで飲み込もうとした。持ち味である多彩な攻撃もはまり、一進一退の攻防を繰り広げた。21―20とリードしていたが、5連続でポイントを失い、先取を許した。「1セット目が全てだった」と後藤監督は振り返った。
息を吹き返した王者は攻守において、きっちりと修正。山田健斗(3年)は「ブロックの付き方であったり、サーブの狙い目も変えられて、そこで崩された」と2セット目は実力を見せつけられ、13―25で落とした。
多くの攻撃パターンはセッターの田岡勇武(3年)から生まれている。「全員バレーの一番軸となるのがセッターの僕。せっかくのオレンジコートまで来て、下向いてプレーするのはもったいない。仲間を信じて投げ切ろうという思いで、この大会は臨んでいた」とこの2日間、とわの森の攻撃をけん引した。4日の試合後に山田が「勇気を持って(あらゆるトスを)振ってくれた」と田岡をたたえていた。
やれるだけのことはやってきた。10、11月にサフィルヴァ北海道と10セット以上の練習試合を組み、高さや強さに慣れるための鍛錬を積んだ。1日に東京入りしてからもOBの小池勇輝(元堺ブレイザーズ)が激励に訪れるなど、周囲のサポートもあった。
山田和弘総監督が勇退
今春で勇退する山田和弘総監督(65)にとっても最後の春高バレー。正リベロの伊藤寛太(3年)が昨年クリスマスに負傷し、今大会はリベロを担った舘山翔太郎主将(3年)は「山田先生が最後ということで、本当に申し訳ない気持ちでいっぱい」と肩をふるわせた。それでも山田総監督は「最後はよく頑張ってくれた。私は生徒たちに(全国へ)連れてきてもらった」と選手たちに感謝の意を示した。