J1札幌 新加入5選手が会見 元日本代表・小林「チームでタイトルを」
北海道コンサドーレ札幌は8日、札幌ドームで行われた「キックオフ2023」イベント前に新入団会見を行った。新たに赤黒のユニホームに袖を通したMF小林祐希(30)、GK具聖潤(28)、MF浅野雄也(25)、FW大森真吾(21)、DF馬場晴也(21)は、札幌加入を決めた理由や、今シーズンに向けての抱負を語った。
憧れ小野伸二との共闘に「すごくワクワク」
J1神戸から移籍した元日本代表の小林は、同席した若い選手たちに話を振ったり、会見がうまくまわるようにサポートしたりと、早くも持ち前のリーダーシップを発揮した。札幌加入を決めた経緯について、「『タイトルを獲りに行くのに小林が必要だ』という気持ちがすごく伝わってきた。そんなチームでやりたいと思った」と、クラブの熱意が決め手であったことを明かした。
意識する選手にはMF小野伸二(43)の名を挙げ、「自分が小さい時からずっと憧れていた選手。彼と一緒に練習できる日々が始まると思うと、すごくワクワクします」と胸を躍らせた。今季は代表復帰を目標に掲げる。「そのためにはチームでタイトルを獲らなければいけないし、個人的な数字も出していかなければいけない」と力強く語った。
具聖潤「約束でした」25番に再び袖
20年以来の札幌復帰となる具聖潤は報道陣に向けて「お久しぶりです。チームのために頑張ります」とあいさつ。復帰を決めた理由を問われると、「約束でした。これしかなかった」と、札幌との相思相愛ぶりを口にした。札幌で慣れ親しんだ25番のユニホームを身にまとい、新たなスタートに気持ちを高ぶらせた。
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J1広島から移籍した浅野は、札幌加入の理由について「昨シーズンの(札幌との)ホーム最終戦後に、ミシャから『来シーズンはどうするんだ』と直接声を掛けてもらった」という。「本当にうれしかった。昨シーズン、広島で試合になかなか出られなかった僕を必要としてくれるということがうれしかった」と、指揮官直々の〝オファー〟が決め手になったことを明かした。過去にMFチャナティップ(29)などが付け、札幌の出世番号と言われた背番号「18」を希望。今季は2桁得点を目指す。
大卒ルーキー大森 興梠の「23」引き継ぐ
J2東京Vから移籍の馬場は加入初年度から背番号3を任された。札幌の印象を「攻撃的なサッカー」と話し、「自分はDFだけど攻撃参加が特長なので、うまく出せればチームにアクセントを付けられる」と、ミシャサッカーへの順応を目指す。各年代の日本代表にも選ばれている逸材は、「札幌から五輪へ、ということを強く意識してやっていきます」と、来年のパリ五輪出場に意気込んだ。
大卒ルーキーとなる大森は、札幌加入の決め手として「鈴木智樹スカウトに2年生の頃から声を掛けていただいて、それが僕としては大きかったし、札幌の試合、ミシャのやり方を見て、迷いはなかった」と話す。背番号を「23」に決めた理由として、昨季在籍したFW興梠慎三(36)の名を挙げ、「札幌に非常に大きいものをもたらしたと思っているので、その番号に恥じないよう、しっかりと結果を見せていければ」。札幌でJ1歴代2位となる通算163得点目を挙げた偉大なストライカーの系譜を引き継ぐ覚悟を示した。
ミシャサッカー6年目に新たなエッセンス
今季の補強について札幌の竹林強化部長は「昨シーズンはケガ人が多く、安定した戦い方ができなかった。全体的に選手層のベースを上げたいというところで、この選手たちを獲得した。また、ミシャサッカーも今年で6年目になり、相手もいろいろなことを考えてくる対戦が増えてきた。それを覆せるような選手が揃っている」と説明した。
5年間積み上げてきたペトロヴィッチ監督の超攻撃的サッカーに、新たなエッセンスを加えてくれるであろう5人の新加入選手たちが加わった。
■新加入選手プロフィール
小林祐希(こばやし・ゆうき) 1992年4月24日、東京都生まれ。30歳。東京ヴェルディユースから2011年にトップ昇格。翌12年には19歳でキャプテンとなる。J1ジュビロ磐田を経て16年8月にオランダのSCヘーレンフェーンへ移籍。その後、ベルギー、カタール、韓国のクラブを渡り歩き、昨年7月にヴィッセル神戸への移籍で日本に戻ってきた。昨季は、10・11月のJ1月間ベストゴールとなった川崎フロンターレ戦での直接FK弾など、リーグ戦9試合で3得点をマーク。J1通算45試合出場で8得点を挙げている。日本代表には16年に初選出。同年11月のオマーン戦で代表初ゴールを挙げた。代表通算8試合出場1得点。182センチ、72キロ。利き足は左。ポジションはMF。
具聖潤(ク・ソンユン) 1994年6月27日、韓国生まれ。28歳。セレッソ大阪U-18から2013年にトップ昇格。15年に札幌に移籍すると、同年のJ2開幕戦でJリーグデビューを果たした。退団まで札幌の守護神として君臨し、J1通算101試合に出場。20年5月、兵役のため韓国に帰国して大邱FCに加入。翌年からは軍隊のクラブである金泉尚武でプレーし、昨年10月に札幌への復帰が発表された。16年にU-23韓国代表としてリオ五輪に出場。A代表には15年に初選出され、19年の初出場からこれまで4試合に出場。195センチ、82キロ。利き足は右。ポジションはGK。
浅野雄也(あさの・ゆうや) 1997年2月17日、三重県生まれ。25歳。大阪体育大から2019年にJ2水戸ホーリーホックに加入。20年からJ1サンフレッチェ広島でプレーし、J1通算81試合出場11得点。22年は12試合無得点だった。兄の拓磨(28、ボーフム)は日本代表で、今回のカタールW杯では初戦のドイツ戦で決勝点を挙げて話題となった。173センチ、72キロ。利き足は左。ポジションはMF。
大森真吾(おおもり・しんご) 2001年2月9日、福岡県生まれ。21歳。東福岡高から順天堂大に進み、昨年9月に23年シーズンからの札幌加入内定が発表された。フィジカルの強さと技術の高さを兼ね備えたストライカータイプで、前線で起点となって得点やチャンスを演出することができると評価されている。19年にU-18日本代表にも選出された。181センチ、77キロ。利き足は右。ポジションはFW。
馬場晴也(ばば・せいや) 2001年10月24日、千葉県生まれ。21歳。東京ヴェルディユースから20年にトップ昇格。1年目からJ2リーグ戦に出場した。22年は31試合に出場し、J2通算47試合に出場。昨年6月のU-23アジア杯には札幌のFW中島大嘉とともに世代別代表に選出された。同9月、11月のU-21日本代表ヨーロッパ遠征のメンバーにも選ばれている。181センチ、76キロ。利き足は右。ポジションはDF。