冬季スポーツ
伊藤有希 札幌居残りで今季初勝利 HBC杯ジャンプ
■HBC杯ジャンプ(9日、札幌・大倉山ジャンプ競技場=ヒルサイズ137メートル)
▽女子
W杯日本代表の伊藤有希(28、土屋ホーム)が、今季国内初戦で初勝利。週末のW杯蔵王大会へ弾みをつけた。1回目に、ただ1人K点越えの128.5メートルで首位に立つと、2回目は1段低いゲート設定から119.5メートルを飛び、2位に15ポイント以上離す逃げ切りVで札幌3連戦を締めくくった。
「日本の皆さんからパワーをいただけた」
前日まで行われたW杯札幌大会に出場した海外派遣組5人中、伊藤のみが札幌に残留した。翌10日に山形へ移動し、12日に公式練習、予選を行う強行スケジュールだが、「出ない選択肢はないです。明日(10日)休めますしね。何よりも、こうやって地元の方に応援していただくのは、ほんとにパワーになる。1日でも長く飛んで、日本の皆さんからパワーをいただけたのが一番の収穫」と、連戦の疲れも一切見せず、大会を盛り上げた。
復調気配だ。W杯遠征から帰国後、葛西紀明監督(50)の長女から手作りのお守りをもらい、ヘルメットに忍ばせて戦いに臨んだ。「入ってますよ。力になりました」と小さなファンの心遣いに感謝する。
未だ日本勢今季W杯表彰台なし
今季ここまでW杯個人10試合を終えて、まだ表彰台にたどり着いた日本選手はいない。「アプローチの滑りは、まだ安定してないけど、かみ合いつつある。それがテークオフ、空中(姿勢)に生かせれば。蔵王は得意なジャンプ台ではないけど、いい感覚をつかめたり、いいジャンプをできることが、今後の自信につながる。日本チームとしても、たくさんポイントを取るチャンスがあるので、1人でも多くネーションカップ(国別対抗)のポイントに加算できれば」。日本勢最年長の元気印が、不振が続く日本チームをけん引する。