レジェンド・葛西 2季ぶり国際大会出場へ HBC杯ジャンプ&記録会
■HBC杯ジャンプ&記録会(9日、札幌・大倉山ジャンプ競技場=ヒルサイズ137メートル)
▽男子
コンチ杯で好成績なら3季ぶりW杯出場も
W杯個人最多出場試合569のギネス記録を持つ、2014年ソチ五輪銀メダリストの葛西紀明(50、土屋ホーム)が、20日から札幌・大倉山で行われるW杯札幌大会出場への第1関門を突破した。HBC杯と直後に行われた記録会で、W杯開催国枠選考対象となるコンチネンタル杯を兼ねたHTB杯(14日)とSTV杯(15日)の出場権をゲット。2020年12月以来2季ぶりに出場する国際大会で結果を残し、2020年2月の札幌大会以来3季ぶりの世界舞台返り咲きを狙う。
切符は6枚、ライバルは17人。不屈の男が、ダブルヘッダーの獲得ポイントで4番手に入り、W杯開催国枠獲得への挑戦権をたぐり寄せた。「ギリギリクリア。これで調整してコンチでいいジャンプを作ります。楽しみっていうよりは、緊張するかもしれないですね。外国の選手がいると気合も入りますけど、力も入るんですよ」と、独特の空気感が漂う戦いの舞台へ意気込んだ。
午前に行われたHBC杯は、117.5メートルと117メートルで13位も、対象者の中では6番手。「そんなに悪いジャンプではないんで、普通に飛べば選ばれると思う」と、午後からの2試合目へ挑んだ。雪がちらつきだしてきた2試合目は、1回目に119.5メートルを飛んで18人中5番手。2回目のスタート直前には、しばらくスタート地点で待たされたが、数々の修羅場をくぐり抜けてきた葛西は至って冷静だった。最後の飛躍も117.5メートルでフィニッシュ。「集中力途切れそうになったっすけど、ベテランの意地。HBC杯よりは全然いい2本でした」と振り返った。
55歳カズの海外挑戦に刺激
サッカー界のレジェンドに刺激を受けた。元日本代表の三浦知良選手(55)がポルトガル2部への期限付き移籍に、「カズさんがやる限り、僕も挑戦します。僕も海外行ってちょっと活躍しなきゃダメですね。来週が一番大事な試合になる」と50歳の大ベテランは力を込めた。
コンチネンタルカップは2日間で3試合。そこで上位に食い込めば、いよいよW杯出場の道が開ける。「いい風が吹いて、当たって、130、40メートル飛んで勝つっていうのが大倉山なんで。外国人がいようが、何しようが、自分のいいジャンプをすればいけるんじゃないかなっていう自信もあります」と、きっぱり。再びギネス記録を更新し、世界に衝撃を与える。