互いを意識　仲間でありライバル

　バチバチ始動だ！ 日本ハムのドラフト１位・矢沢宏太投手兼外野手（２２）＝日体大＝と同２位の金村尚真投手（２２）＝富士大＝が９日、新人合同自主トレ初日に臨み、いきなり火花を散らした。キャッチボールではペアを組み、互いの球威や球筋を確認。実力を認め合いつつ、どちらも「負けたくない」と闘争心をむき出しにした。春季キャンプはともに１軍入りが濃厚。切磋琢磨しながら、開幕１軍を目指していく。

　同期の仲間であり、負けられない好敵手だ。まずは金村が「２つ（二刀流を）やっている人に対して、（投手）１本でやっているので負けたらダメ。負けたくない思いは強い。お互い意識して、負けないように頑張ってやっていきます」と〝宣戦布告〟。それを伝え聞いた矢沢は「僕自身は２つやっている感覚はない。まず野球をやっているという感じ。特にそこは何とも思わない。ただ、一人の野球選手として誰にも負けたくない。（同期の中で）最初に（エスコンフィールド北海道に）立ちたいですし、一番長くプレーしたい」と受けて立った。

キャッチボールに　矢沢「楽しかった」　金村「ボールが伸びてきた」

　レベルの高い競争相手は、互いに大歓迎。合同自主トレ初日のキャッチボールは、２人で投げ合った。二刀流ドラ１が「すごく楽しかったし、いい投手とのキャッチボールは自分の球も良くさせる」と笑顔を見せれば、ドラ２右腕は「矢沢は軽く投げているのにボールが伸びてきて、すごいと思いました」とライバルを称賛した。

　春季キャンプはそろって１軍スタートが見込まれる。初日の２月１日は、いきなり生き残りを懸けた勝負の紅白戦だ。新人にとっては過酷な日程だが、矢沢は「投げるかはまだ分からないけど、そこに向けてしっかり準備をしていきたい」ときっぱり。金村も「初日から１００％でいかないといけない。そのつもりで準備する」と覚悟を決めている。

即戦力のドラ１、２コンビ　チーム力を底上げ

　グラウンドを離れれば、気の合う同い年。大学時代から交流があり、積極的にコミュニケーションを重ねている。昨季最下位に終わった新庄監督が「優勝しか目指さない」と宣言している２０２３年。時に助け合い、時に競い合いながら成長する即戦力コンビが、逆襲のキーマンだ。