憧れのバットマンに弟子入り「とても充実して濃い時間」

　日本ハムの五十幡亮汰外野手（２４）が１０日、静岡・下田市吉佐美運動公園で自主トレーニングを公開した。広島・秋山翔吾外野手（３４）をはじめ、独立リーグの選手や女子選手も練習に参加。打撃を中心に約４時間みっちりと体を動かした。入団以来ケガに泣かされ続けた男は「強さ」を今オフのテーマに設定。〝秋山塾〟で心身のタフさを身に付け飛躍の３年目に臨むつもりだ。

　憧れの野球人と貴重な時間を共有している。五十幡は今オフ、知人を通じて秋山が主催する合同自主トレへの参加を志願。熱い思いが実り、偉大なバットマンへの弟子入りが実現した。約１週間を過ごし「とても充実して濃い時間。秋山さんは走攻守三拍子揃っていて自分の目標とする選手。メジャーリーグも経験していて、野球への取り組み方や技術以外での生活の仕方を含めてすごい人」と、グラウンドの内外で大きな刺激を受けている。

師・秋山も技術惜しまず伝授「しんどいメニューも踏ん張ってやってくれている」

　この日は約２時間をティー打撃に費やし、課題とする打力向上に励んだ。五十幡がスイングする際には、間近で見守る秋山から幾度も助言を受けた。「それぞれのメニューに意図があってやっている。それをしっかり理解して自分のメニューとして持ち帰られるように、今は必死になって取り組んでいる」。練習中に気付きがあれば、その場でメモに記している。金言がびっしり書き込まれたノートを成長の糧にする。

　師である秋山は教えを押しつけることはなく、丁寧にアドバイスを贈る。「どれだけのものを提供してあげられるかは分からないけど（五十幡は）とにかく一生懸命。しんどいメニューも踏ん張ってやってくれている。僕は基本的には聞かれるの待ち。その中で彼がやっているイメージと、ちょっと離れているってことがあれば、いろんな伝え方をしないといけないと思う」。ＮＰＢシーズン最多安打記録の持ち主は、打撃開眼を目指す若武者に、技術と心構えを惜しみなく伝えてくれる。

ペリー来航の地・下田を飛躍のきっかけに「試行錯誤してキャンプインへ」

　自主トレを行う下田は、幕末にアメリカの東インド艦隊司令長官マシュー・ペリーが来航したことで有名な〝開国の町〟。歴史の舞台から新年のスタートを切った五十幡は「（飛躍の）きっかけにしたい。秋山さんの教えを参考に自分で試行錯誤して、キャンプインや３月のシーズン開幕へ向けてやっていけたら。体力、スイング、勝負強さ。いろいろな強さをレベルアップしたい」と、３年目に懸ける思いを言葉にした。今季のチームスローガン「新時代」を切り開く旗頭となるべく、スピードスターが走り出した。