レジェンド葛西3季ぶりW杯出場へ試練 コンチ杯札幌3連戦初戦は2回目に進めず HTB杯ジャンプ
■HTB杯国際ジャンプ大会(14日、札幌・大倉山ジャンプ競技場=ヒルサイズ137メートル)
▽FISコンチネンタル杯男子個人第9戦
日本勢10人中9番手
20日から札幌で行われるW杯札幌大会の開催国枠7枚の切符をかけて行われた3連戦の初戦。コンチネンタル杯2季ぶり出場のレジェンド・葛西紀明(50、土屋ホーム)は、1回目104.5メートルで2回目に進めず、ポイントを獲得することはできなかった。W杯には15日の3戦目終了時点で、対象者10人中、ポイント上位7人が選出される。初戦終了時点でのポイント保持者は7人。葛西は15日の2戦目(STV杯)で上位に入り、逆転での代表入りを目指す。試合はソンドレ・リンゲン(ノルウェー)が今季2勝目を挙げた。
全日本スキー連盟が定める選考規定では、表彰台に乗れば一発内定していたはずのW杯。葛西の直前に風のコンディションが悪くなり、シグナルは黄色から赤へ。一度ゲートを離れて仕切り直したジャンプはK点手前に着地。ゲート位置は9日のHBC杯よりも2メートル低く設定され、助走路でのスピードが出にくい上に、ジャンプに有利な向かい風は出場44人中3番目に弱い0.55メートル。「低いゲートでは風がないと厳しい。ジャンプうんぬんではない。ここにかける思いはめちゃくちゃ強かった」。日本勢10人中9番手の46位(コンチネンタル杯37位)に終わり、2020年2月以来のW杯挑戦は、15日へ持ち越しとなった。
体重60キロまで絞り込む
9日のHBC杯と直後の記録会で2季ぶりの出場権を獲得。昨年12月の国内開幕戦で63キロだった体重を走り込みで60キロまで絞り込んだ。大会前日の13日に精力的に飛躍練習を繰り返し、この日の1回目の前の試技はキャンセル。ぶっつけ本番で臨むレジェンド独特のルーティンはいつも通り。「助走路のスピードも出てきて調子が上がってきている」と悲観することはない。
葛西に残されたチャンスは15日の2戦目のみだが、可能性は十分に残されている。日本勢のポイントトップは佐藤慧一(25、雪印メグミルク)の26点で、6位タイの2人が2点。数々の逆境を跳ね返してきた大ベテランは「明日はがんばる」と、最多570度目のW杯出場を目指して、勝負のスタート台に向かう。
◆コンチネンタル杯ポイント配分◆
順位 点数
1位 100点 11位 24点 21位 10点
2位 80点 12位 22点 22位 9点
3位 60点 13位 20点 23位 8点
4位 50点 14位 18点 24位 7点
5位 45点 15位 16点 25位 6位
6位 40点 16位 15点 26位 5点
7位 36点 17位 14点 27位 4点
8位 32点 18位 13点 28位 3点
9位 29点 19位 12点 29位 2点
10位 26点 20位 11点 30位 1点