田中正義が入団会見 希望は先発「4月中に初勝利を」
稲葉GMアドリブ質問「ビッグボスは『どこで投げたい?』と聞く」
フリーエージェント(FA)権を行使してソフトバンクへ移籍した近藤健介外野手(29)の人的補償として、日本ハムから指名された田中正義投手(28)が15日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で入団会見に臨んだ。背番号は「26」に決定。肩や肘のけがに泣かされてきた大器は、先発希望を打ち明け、新天地での飛躍を誓った。
会見で田中正の起用法についての質問が飛んだ。同席した稲葉篤紀GM(50)が「たぶん、ビッグボスは『どこで投げたい?』と本人に聞くと思うんですけど(笑)」と新庄監督の流儀を引き合いに出し「もし、(監督に)聞かれたら?」と、アドリブを効かせて主役に問いかけた。
やや差し込まれ気味だった田中正は表情を引き締め「個人的には先発をやらせていただきたいと思っています」と表明。ソフトバンク時代の6年間で白星を挙げられていないが「初勝利を4月中に、という目標を掲げて自主トレをしてきた。それをまず達成できるようにしたい」と続けた。
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
けがに泣いてきた6年間「まだまだ彼はこんなもんじゃない」
2015年8月。創価大3年のとき、日本ハム2軍との交流試合で先発していた。最速153キロを計測し、5回を投げて1失点。毎回奪三振をマークしていた。当時、谷口雄也さん(30、現球団職員)ら1軍級も名を連ねていたが、直球主体でねじ伏せた。7年半前の出来事だが、記憶は鮮明で「あの頃のようなボールを投げられるように頑張ります」と笑みをこぼした。
試合を見守っていた当時の栗山英樹監督(61、現日本代表監督)や球団幹部は、世代ナンバーワンと呼ばれていた右腕にほれ込んでいた。翌16年のドラフトで1位入札も、くじは外れた。いったんは途切れた縁がこの冬、FA移籍に伴う人的補償で結ばれた。稲葉GMは「けがで苦しんだシーズンも多くて6年がたちましたけど、まだまだ彼はこんなもんじゃない。これからもっともっと伸びていくだろうという大きな期待を込めて獲得させていただきました」と力説した。
春季キャンプは1軍スタート「今年は自信があります」
田中正は元日から体を動かし、7年目のシーズンに備えてきた。もう、けがの不安はない。「すごくいい感じできている。今年は自信があります」。2月の春季キャンプは1軍スタートの見込み。初日の紅白戦は登板せず、体の状態をチェックしながら慎重に調整していく。運命に導かれた剛腕は、輝ける場所で底知れない能力を開放する。
《一問一答はこちら》