ドラ1矢沢 プロ初ブルペン&打撃練習で二刀流解禁 新人合同自主トレ
捕手立たせ30球 首脳陣うなる直球「軽く投げたつもり。60%くらい」
ピッチャー矢沢、本格始動だ! 日本ハムの矢沢宏太投手兼外野手(22)が15日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で新人合同自主トレに臨み、プロ入り後初めてブルペン入りした。捕手を立たせた状態で直球のみ30球を投じ、見守った首脳陣をうならせた。直後には打撃練習を行い、第2クール最終日に二刀流調整も本格化。負荷がかかるメニューを平然とこなし、大物ぶりを見せつけた。
初めて立つマウンドの感触を確かめながら、一球一球丁寧に腕を振った。「自分の中では軽く投げたつもり。60(%)くらい」と力をセーブしながらも、伸びのあるボールが次々とミットに吸い込まれた。投げっぷりは威風堂々。「まだ評価できるレベルの強度ではない」とあえて自己採点はしなかったが、久々の傾斜を使った投球に「違和感なく投げられた」と上々の手応えを口にした。
球筋やフォームをじっくりと確認した稲葉GMは「初めてピッチングを近くで見て、良いボールを投げているなと思った。関節の柔らかさがある」と高評価。「ここからの仕上がりが非常に楽しみ」と期待を膨らませた。捕手を務めた古川も「球が強いなっていう印象を受けた。スピンの効いた質の良い真っすぐだった」と球質を絶賛し、ドラ1左腕のポテンシャルを認めていた。
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投球練習後に野手組合流 打撃練習も「まだまだ全然いける」
これだけで終わらないのが二刀流だ。投球練習の約10分後、野手組に合流して打撃練習を敢行。疲労を感じさせることなく、力強いスイングを繰り返した。その後、他の新人選手は次々と昼食会場へ向かったが、矢沢は室内練習場に残り、消化しきれなかったメニューを黙々とやりきった。
投打両方の練習を行えば、必然的にスケジュールがタイトになる。それでも「昼は遅くなっても、休憩時間をなくせばいいだけ。(大学時代と)特に変わらず、やるべきことをやっている。(体力的に)まだまだ全然いける」と全く苦にしていない。「トレーナーの方も僕が終わるまでしっかりと見てくれますし、僕がやりやすいようにやってくれている」と、サポートしてくれるスタッフに感謝する余裕も見せた。
投打に外野守備さらに強度上げる「無駄な時間がないように」
今後はさらに、投打で強度の高いメニューをこなしていく予定だ。「(自主トレの)最後の方は3日に2回、ブルペンに入るクールがあるかな。あとは外野の守備であったり、打撃投手に投げてもらうバッティングだったりをどんどん入れて、強度を上げていく」と見通しを説明した。「野球にすごく時間を使えて、毎日が充実している。無駄な時間がないようにやっていけたら」。二兎を追う覚悟を決めて、プロの世界に入ってきた22歳。ハードな日々こそ、望むところだ。