FW中島大嘉ビッグマウス公約「ここまで行ったらもう伝説やろっていう目標30点(目指す)」
■コンサドーレ沖縄キャンプ(16日、金武町陸上競技場)
休養日明けとなった5日目のトレーニングは2部練習を実施。午前はインターバル走、午後は動きながらの対面パスや5人の動きで相手を崩すことを目的とした攻撃練習の後、フリーマンを加えての11対11を行った。体調不良のため沖縄入りが遅れていたMF深井一希(27)が、この日からチーム練習に合流。練習中の接触の影響で大事をとって休養していたMFルーカス・フェルナンデス(28)も別メニューで復帰した。
プロ入り3年目を迎えたFW中島大嘉(20)が今季を〝伝説の1年〟とするため精力的にトレーニングを行っている。全国の舞台で躍動した後輩たちから受けた刺激を糧に、開幕スタメンの座をつかみ取る。好天に恵まれることが多かった先週とはうって変わって、肌寒さを感じるほどの曇天の中で行われた休養日明けの練習。そんな中でも中島はいつもどおりの明るい笑顔を見せていた。この日の11対11では1トップやシャドーの位置でプレー。ディフェンスライン裏への抜け出しを意識した動きを何度も見せてゴールに迫った。
興梠、シャビエルの抜けた穴狙う
「チームの主力になるためのキャンプ」と位置付けて臨んでいる。奪取を狙う1トップはFW興梠慎三(36)やMFガブリエル・シャビエル(29)の退団により空席状態。FW金健煕(27)など昨季同位置で起用された選手たちのほかにも、FW小柏剛(24)や新加入のMF浅野雄也(25)らシャドーの選手が1トップで出場する可能性もあり、激しいレギュラー争いが予想される。「難しい戦いになるかとは思いますけど、おとなしくしているつもりはさらさらないです。今の序列に風穴を空けて、スカウティングで俺が出てくるなんて思っていない開幕戦の相手の広島に『中島スタメンだ!』と思わせられるように頑張ろうと思います」と、ライバルたちに真っ向勝負を挑む。
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母校・国見の12年ぶり選手権出場に刺激
母校の国見(長崎)が全国高校サッカー選手権に12年ぶりに出場し、ベスト16進出を果たした。先月29日に行われた北海との1回戦は、中島も後輩たちの応援のため会場へ駆けつけた。「自分たちは全国へ行けず悔しい思いをした中で、後輩たちがその思いも背負って全国に行ってくれたのはすごいうれしかったし、すごく刺激になりました。全国の舞台で(国見のカラーの)青黄のユニホームを着て、国見のエンブレムを背負って戦っている後輩たちを見て、素直にかっこいいと思いましたし、俺も負けてられへんなって思いました」。母校の躍進が中島のハートに火をつけた。「国見の魂はまだ自分の中に宿っている。自分が活躍することで、国見がまた全国的に大きくなっていけばいいな。自分のプレーを見て『中島って国見だったんだ』って憧れて入学する子供たちが増えて、また黄金期を作ってくれたら、少しは恩返しができるのかなと思うので。これからも国見を背負って頑張っていきたいです」と、戦後最多6回の選手権優勝を誇る母校の完全復活につなげるためにも、札幌での大きな飛躍を目指す。
「1秒でも早く10点取れるように頑張ります」
オフシーズン中には中学3年以来となる坊主頭以外の髪形に挑戦し、金髪や茶髪にもなった。「髪があったらあったでいいなと。帽子をかぶらずに外を歩けるのでうれしかったし新鮮でした。格好よかったと自分では思っています」。チームの始動に合わせて再び坊主頭に戻した。札幌加入時に誓った「10点取ったら髪を伸ばす」公約のためだ。「ほんまに伸ばしてキャーキャー言われるために、1秒でも早く10点取れるように頑張ります」と今季こそ公約を実現させる。
過去30点超えた選手は05年アラウージョ(G大阪)のみ
今シーズンの目標を聞くと「チームとしてもタイトルを絶対に取りたいので、そのために自分のゴールで毎試合勝てたらいいな」と優等生的なコメントを語った後、いつもの〝大嘉節〟がさく裂した。「一番最高の、これは超えられない、ここまで行ったらもう伝説やろっていう目標は30点。まあ2桁はマストで取りたいな。取れるなと思っています」。2部制が導入された1999年以降のJ1得点王で30点を超えたのは、05年のFWアラウージョ(G大阪)の33得点のみ。日本人では02年のFW高原直泰(磐田)と、『大嘉』の名前の由来にもなった13年のFW大久保嘉人(川崎)の26得点が最高だ。日本を代表する2人のFWの記録を破ることができれば、間違いなくJリーグ史に伝説として名前が刻まれる。開幕戦のピッチで伝説への第一歩を踏み出すため、中島が沖縄の地で己の牙を研いでいる。