札幌山の手PG森岡ほのかがWリーグデビュー 3得点1アシスト
■Wリーグ(21日、札幌・北海きたえーる) 日立ハイテククーガーズ73―103トヨタ自動車アンテロープス
期待の新星がプロデビューした。今春の日立ハイテククーガーズ入りが内定している札幌山の手高のPG森岡ほのか(18)が、アーリーエントリーで首位・トヨタ自動車との第1クオーター(Q)途中から出場。第2Qに初アシストと初得点をマークするなど10分43秒で3得点1アシストをマーク。目標とする将来の日本代表入りへ、記念すべき第一歩を踏み出した。
「もう緊張しすぎて、頭真っ白」
18歳64日。森岡にとって忘れられない一日になった。内海知秀HC(64)に呼ばれると「もう緊張しすぎて、頭真っ白。でも、ウインターカップとかの経験もあったので、しっかりやらなきゃっていう気持ちで入りました」。味方ベンチのすぐ脇には、両親と札幌山の手の恩師・上島正光コーチ(79)。さらに、コートサイドにウインターカップ準優勝の報告会のために会場を訪れたチームメートの大きな拍手を受けてコートインした。
最初に決めたのは、山の手ラインのアシストだ。第2Q残り9分1秒、3ポイントラインの外でボールを持った森岡がインサイドのSF関ななみ(22、札幌山の手高出)の得点を演出し、会場を沸かせた。
「ゴールが空いたので慌てて打った」
初得点は第2Qの21-33。ゴール下に持ち込むと、そのままリングにアタック。一度は相手DFにカットされたが、再びボールを奪い返すと「ゴールが空いたので、打たなきゃと思って慌てて打った」と苦笑い。フリースローも1本決めたが、チームは30点差で完敗。「得点を決めるのは楽しいですし、自分の武器がオフェンス力だと思うので、もっとゴールに向かいながら、明日は攻めていければいいかな」と、22日は自身のプロ初勝利に貢献する。
早い時間帯の起用は期待の現れだ。本来はポイントガード(PG)だが、この日のゲームでは主にシューティングガード(SG)でプレー。2016年リオ五輪女子日本代表HCの内海知秀HC(64)は「彼女がこれからゲームに出て活躍するためには、前半の大事なところで試合に出して経験させることが非常に大事。来シーズンは必ずやチームの力になる。日の丸を背負うだけの逸材」と〝英才教育〟で金の卵を磨き上げる。
ライバルに負けていられない。途中出場したトヨタ自動車のPG横山智那美(18、愛知・桜花学園高)もアーリーエントリーで出場。U18女子日本代表では共にプレー。「今日もすごい通用してた。スピードとか自分にないものをすごく持っていて、自分も学ばなきゃいけない部分がたくさんあった。明日はしっかり負けないように頑張りたい」と自らを駆り立てる。
憧れの東京五輪銀メンバー、PG町田を目指して
試合後、札幌山の手高の上島コーチから「もっと攻めろ」と声をかけられた。「(100点満点中)30点も行かない。もっと行けたなって思う場面もいっぱいありますし、まだ遠慮というか、少し怖がってすぐボールを離してしまう場面もあるので、明日はもっと落ち着いてプレーできれば」。プロのキャリアは始まったばかり。高校の先輩で憧れの東京五輪銀メダルの日本代表PG町田瑠唯( 29、富士通レッドウェーブ )を目指し、リーグ制覇、さらにその先に続く日本のトップへ、一歩ずつ歩を進めていく。