二刀流ドラ1矢沢 紅白戦で伊藤大海との対戦熱望「真っすぐを感じてみたい」
大学時代から凄さを知る先輩 打席で体感して成長のヒントに
大海さんから打ちたい! 投打二刀流に挑戦している日本ハムのドラフト1位ルーキー・矢沢宏太投手兼外野手(22)=日体大=が21日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で新人合同自主トレに臨み、打者として伊藤大海投手(25)との対戦を熱望した。チームメートだが、1軍スタートが決まった春季キャンプ中に3度の紅白戦が予定されており、チャンスはある。大学時代から凄さを知る先輩の直球を打席で体感し、成長のヒントを得るつもりだ。
大学1年の初冬に受けた衝撃を、今も覚えている。松山で行われた3年前の侍ジャパン大学代表の選考合宿に参加したときだ。目にしたのは、アマチュア最高峰の打者たちを、ほぼ直球のみで手玉に取る伊藤の姿だった。「そのとき、僕は打順が回ってこなかったんですけど、そんなに圧倒できる真っすぐってどんなんなんだろう」と敬意を抱いた。
その後、伊藤はプロ入りし、新人から2年連続で2桁勝利をマーク。結果を追っていた矢沢は「プロでも活躍されていて、ああ、やっぱりすごい真っすぐなんだな」と憧れの気持ちを強くした。縁があり、プロでは同じチームに入団。対戦は紅白戦に限られるが「伊藤大海さんの真っすぐを打席で見て、感じてみたい」と真剣勝負を心待ちにした。
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
春季キャンプは1軍スタート 首脳陣が注目する〝プロ初打席〟はアピールチャンス
春季キャンプは1軍スタートが決定済み。順調に調整が進めば、2月1日の紅白戦で打者デビューする可能性は大いにある。伊藤の登板は未定だが、首脳陣が注目する〝プロ初打席〟はアピールの好機だ。「打順は分からないですけど、(チーム)初ヒットを打てたらいい」と意気込み、「結果はどうあれ、自分のスイングをしっかりしたい。できることをしっかりやることを第一に考えたい」と足元を見つめた。
輝かしいプロ生活を送るために携える相棒は、練習で使用する「黄金のバット」だ。試合用よりもあえてグリップを太くした1本で、左手に力が入りすぎる悪癖を改善する狙いがある。「左利き左投げで、左手がすごく強いので、どうしても力が入る。グリップが大きいと、右手を意識しやすい」。グローブや打撃用手袋にも金色があしらわれており「、(金は)かっこ良くて気に入っている。負けず嫌いですし、走ることも投げることも、負けたくないっていう気持ちはあります」と〝1番〟を目指す決意を口にした。
ハードな日々に充実感 シーズン終了まで1軍完走が大きな目標
新人合同自主トレはこの日から第4クールに入った。投打のメニューをこなすハードな日々だが、表情には充実感がにじんでいる。春季キャンプ初日からシーズン終了まで、1軍で完走することが大きな目標の一つ。「新人合同自主トレは、まだお客さんのような感じがする。いよいよ(2月)1日からファイターズの一員としてプレーできると思うと、すごくわくわくしてます。新人らしく元気に、いろんなものを吸収してやっていきたい」と目を輝かせた。まずは沖縄・名護での1カ月が最初の勝負。ゴールデンルーキーは伊藤との対戦を楽しみにしつつ、実力を証明する瞬間を虎視眈々と狙っている。