新加入MF浅野 古巣・広島との開幕戦に闘志
■コンサドーレ沖縄キャンプ(21日、金武町陸上競技場)
休養日明けとなった9日目のトレーニングは2部練習を実施。午前はインターバル走やピッチの4分の1のスペースでタッチ数を制限したミニゲーム、午後はパスをつないでのシュート練習やハーフコートでの9対9などを行った。今季新加入のMF浅野雄也(25)が、古巣・広島との開幕戦に向けて闘志を燃やしている。19日の町田との練習試合で札幌での実戦デビューを果たした。自身初の長期キャンプを乗り越え、慣れ親しんだEスタのピッチに足を踏み入れる切符をつかみ取る。
20日に正式発表された今季のJリーグ日程。開幕戦の相手が広島であることは発表されていたが、キックオフの日時も決まり、開幕へのムードが高まりつつある。そして今季広島から加入した浅野も、その日を心待ちにしている。「3年間お世話になったチームなので、変な感じはするんですけれども、一歩も引くことはないですし、真剣勝負で戦えるのは本当にありがたいです。楽しんでやりたいなと思います」と古巣との対戦に意欲を見せる。
「もっと早くチームに溶け込むためにも体のキレを増やしていきたい」
町田戦では主力組中心の1本目に、右シャドーとして45分間出場したが、ゴールを決めることはできなかった。「自分のプレー自体は、体のキレもそうですけど、まだまだかなと思います。もっと早くチームに溶け込むためにも体のキレを増やしていきたい」と札幌初実戦を振り返る。
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札幌の宿命である長期キャンプ。これまでの所属チームは一次、二次に分けて各10日間前後のキャンプを実施してきたそうだが、札幌のキャンプは沖縄だけでも25日間のロングランだ。この日でキャンプインから11日目。「一次キャンプが今終わった感じじゃないですか」と振り返った浅野から、「長いので、まだ終わりが見えない感じです」と、そのきつさに対する本音が漏れた。
ミシャから「ブラボー!」ゲット
それでもピッチに立てばさすがのプレー。この日の3対2の練習では、ゴール前でフリーの選手をしっかり見極めパスを出したプレーで、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(65)から「ブラボー!」をゲット。9対9の練習では、FW中島大嘉(20)の頭での折り返しから、鋭いボレーシュートを放ってゴールを決めていた。
沖縄キャンプはあと4試合、練習試合が予定されている。「まずは攻撃の起点になるところと、札幌のスタイルに少しでも早くなじんで、やはりゴールでどんどんアピールしていきたい」と定位置確保に向け意気込んだ。
セイコーマートのおにぎり好きが話題に
浅野のひと言が今、大きなうねりをつくり出している。先日「水戸時代から(茨城県内にも店舗がある)セイコーマートのおにぎりがお気に入り」と報道されると、札幌サポーターがツイッター上で盛り上がった。すると、セイコーマートの公式アカウントも「北海道の企業として、もちろん心より(札幌を)応援しております。浅野選手の今シーズンのご活躍をお祈りしています」とリアクション。これに対して札幌の公式アカウントも「同じ志を持つ北海道に根ざした企業として、一緒に北海道を豊かに元気にしていきましょう」と応えた。
浅野もこの状況を知っており、「バズってるらしいですね」とニンマリ。「北海道内の企業で高めあっていくのはいいことだと思いますし、そこでつながるご縁があれば、チームのためになったかなと思います」。近い将来、札幌の試合会場で道民におなじみのオレンジ色の看板が掲出されるようなことになれば、それは浅野の〝セイコーマート愛〟が結びつけた縁かも。
「本当にここまでは順調に来ているかなと思うので、この流れを切らすことなく、けがなく終わるのが一番。それプラス、チームになじんで、札幌のスタイルに自分のプラスアルファを何か与えられるようなキャンプにしたい」とキャンプ後半の目標を口にした。開幕戦のピッチで、広島相手に札幌で成長した姿を見せつけるため、長いキャンプの中で己を鍛え上げる。