小林陵侑2戦連続表彰台! 「いいジャンプができた」11位からの逆転3位 男子ジャンプW杯
■W杯ジャンプ男子札幌大会(21日、札幌・大倉山ジャンプ競技場=ヒルサイズ137メートル)
▽個人第15戦
大倉山の夜空を切り裂いた。20日の個人第14戦で今季初優勝を飾った小林陵侑(26、土屋ホーム)が、1回目129メートルの11位からの逆転で3位に入り、2戦連続で表彰台に上がった。「すごくスムーズでいいジャンプができた。すごく自信になりました」と胸を張った。慣れ親しんだ札幌で、前半戦低迷からの完全復活を印象づけた。
会心のジャンプ「トータルでも一番いい」
会心のジャンプだった。この日は風が目まぐるしく変わる難しい条件下。迎えた2回目は不利な追い風だったが、安定した飛行技術を持つ五輪王者には関係なかった。「(今季の)トータルでも一番いいと思います」と自画自賛の飛躍。ヒルサイズを超える137.5メートルに、小林陵も右拳を振り上げ、大倉山に集ったファンは大きく沸いた。
周囲に左右されない強い精神力が強さの源だ。予選や本戦の1回目から、多くの選手がビッグジャンプを連発するも「あまり気にしてなかった。自分の内容がよくまとめられたので、そこはすごく進歩した」と小林陵。直前で風が変わったことについても「前の人のジャンプとか見てなかったのでわからないけど、あんまり気にせずに自分のジャンプができるように(集中した)」と意に介さなかった。
シュテファン・クラフト(29、オーストリア)、ハルボルエグネル・グラネル(26、ノルウェー)には及ばなかったが、8人を抜き去る華麗な逆転劇。各選手が飛距離を落とす中「会場がちょっとシケてないかな」と話したが、いらぬ心配だった。むしろ最後まで優勝を争い、会場はさらに熱くなった。
五輪王者の逆襲開始
苦悩した前半戦とは変わって、ジャンプの修正点を明確に把握できるようになった。「非常に長い、ここまでのシーズンだったけど、これからは自分のジャンプを楽しんで、シーズンを悔いなく終われるようにしたい」。心身共に充実してきた。北の大地から、五輪王者の逆襲が始まる。