上原 東浜フォークに手応え「新しい変化球を投げている感じ」
キャンプ地の名護で先乗り合同自主トレ ブルペン一番乗り
日本ハムの上原健太投手(28)が24日、沖縄・名護で始まった先乗り合同自主トレに参加。ブルペン一番乗りを果たし、捕手を座らせて74球を投げ込んだ。直球を主体にスライダーやフォークなど全球種を披露。春季キャンプ初日に行われる紅白戦へ向けて、万全の仕上がりを見せた。プロ8年目を迎えた大型左腕は早くも実戦モードに突入している。
今季初登板を目指し、ハイペースで調整を進めている。「2月1日に合わせて、できるだけブルペンに入っておきたい。きのうは長い移動だったので体がバキバキだけど、そんな中でもあえて入った。コンディションが万全とは言えない中で、どういうピッチングができるか考えて球数を放った」。50球以上を投じるのは、例年ならばキャンプイン後のこと。並々ならぬ決意を白球に込め、力強く腕を振り続けた。
思い切って持ち球を改良 「腹をくくって大胆にいくしかない」
進化したボールを携えて、タピックスタジアムのマウンドへ上がる。昨季3勝を挙げた左腕はこのオフ、さらなる飛躍を目指して持ち球に手を加えた。直球、スライダー、フォークの3球種は「握りとリリースの仕方を全部変えた。現状を大きく変えるには、腹をくくって大胆にいくしかない。感覚としては全く違うもの、新しい変化球を投げている感じ」と思い切りよく決断を下した。
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課題を克服するために、新たなチャレンジへ踏み切った。一般的に「左対左」は投手優位とされるが、昨季は対左打者の被打率が.310。対右打者の被打率.237と大きな差がついた。「落ちる球を多投したいけど、こっち(左打者の外角)に滑るとバットに当てられてしまう」と、理由の一つが決め球のフォークにあると分析した。勝負どころで空振りを奪うため「左打者に食い込んでくる」軌道の習得を試みた。
同郷の〝先輩〟からヒント 女房役の宇佐見も絶賛
そんな折、思わぬところで改良のヒントに出会った。昨年末、ソフトバンクの東浜と参加した地元・沖縄の野球教室で「小学生が東浜さんに『シンカーって、どうやって投げていますか』と質問していた。これはチャンスだなと思って(近くに寄って)握りを見た」と故郷の先輩が投じる〝宝刀〟の秘密に迫った。握り方を参考にしてみると、理想の軌道に大きく近づいた。
ブルペンで投球を受けた宇佐見は、進化したフォークに太鼓判を押す。「去年は落差が大きい感じだったけど、そこにスピードが乗っかってきた。本人も言っていたけど、東浜さんの左投手バージョンというイメージ。普通のフォークより握りが浅いから、コントロールもつけやすそう。捕手としても要求しやすくなる」。投球の幅を広げる新球に大きな期待を寄せた。
まずはピッチャー調整を優先 「先に投手で結果を残さないと」
今季も二刀流に挑戦する上で、まずは投手として結果を積み重ねるつもりだ。「1日に投げると言われたら、打撃なんかする暇がない。打撃はそもそも打ってないので、打てなくてもともと。先にこっち(投手)で結果を残さないと1軍にいられないので」。強い覚悟を胸に、サバイバルレースを勝ち抜いてみせる。