■Ｖリーグ男子２部　ヴォレアス３ー１きんでん（２８日、旭川・リアルター夢りんご体育館）

総得点ランキング首位も「チームが勝てるように点を取る」

　両助っ人が、リーグ最速の１０勝（１敗）に導いた。ヴォレアス北海道がきんでんとの試合を３―１で制し、首位に再浮上。エースの張育陞（チャン・ユーシェン、２２）がチーム最多の２９得点を挙げると、ペートゥ・マキネン（２７）も負けじと１６得点を記録。２年連続のＶ２優勝へ勢いを加速させた。

　２０２３年初となった旭川の試合で、エース・張がフル回転の働きを見せた。アタックポイントは２６得点、決定率も６５％を記録。そのうち、バックアタックからも９得点を挙げ、縦横無尽に躍動した。総得点ランキングは２３５得点で首位を走る。張自身は「得点は気にしないです。チームが勝てるように点を取る。（自身の出来は）７０点」と控えめだったが、セッターの山岸隼（２３）も「張に助けられた」と相手を圧倒する内容だった。

旭川で８２３人沸いた　MVPマキネン「本当に言葉にできない」

　この試合のＭＶＰに選ばれたマキネンは、２００センチの長身で何度もチームを救った。ブロックポイントは、樫村大仁（２４）の５点に次ぐ３点。アタックポイントでも１１得点を記録した。「ロングラリーを取れたのが良かった。ロングラリーのあとは、かなり良いブロックで得点したり、流れを引き寄せられた」と胸を張った。

　今年初めての旭川開催。チームを後押しするために、雪が舞う中でも８２３人の観客が集まった。その熱気にはマキネンも「本当に言葉にできない。素晴らしいファンの皆様の前でプレーできてうれしい」と感激。そして、今季ホーム初スタメンとなった酒井駿（２５）は「気持ちが自然と盛り上がってくる。温かい雰囲気で試合をさせていただいている」と感謝した。

　応援も力となり快勝したが、試合の結果に満足することはない。相手の力量に合わせることなく、より高度なプレーを求めている。全ては入れ替え戦で勝つためだ。「まだ安定感に欠ける。毎週末、試合をしていくリズムで安定性もついてくればいい」とエド・クラインヘッドコーチ（４１）。悲願のＶ１昇格へ、チームの結束は固い。

元日本ハム・杉谷氏がゲストで登場

　この日は昨季限りでプロ野球を引退した元日本ハムの杉谷拳士氏（３１）がゲストで来場し、試合間のトークショーや始球式で会場を沸かせた。バレー観戦は初めてで「（ボールを叩く）音がすごい。選手との距離も近くて、（ファンの）熱量がすごい」と目を輝かせた。ヴォレアスも無事に勝利し、試合後はコート上で選手たちと記念撮影。「生の迫力はすごかった。また次も見たいと思いました。手と手を組んで、北海道のスポーツを盛り上げていけたら」と、大きな刺激を受けた様子だった。