キャンプ地の沖縄・名護入り　パフォーマンスは封印！？

　日本ハムの新庄剛志監督（５１）が３０日、キャンプ地の沖縄・名護に到着した。白色のジャージー姿で登場した指揮官は開口一番に「優勝だけを目指して。あとはみんなが期待するパフォーマンスはあんまないから。野球だけやっていきます」と宣言。最下位からの巻き返しを図る新シーズンへ向け、強い決意を言葉に乗せた。

　超先行逃げ切り態勢で、ペナントレースを走り抜ける。Ｖ奪還の道筋はクリアに描かれている。「今年のペナントレースは俺の頭の中では５０試合しかない。常にトップの位置。あとはもう、その経験がつながっていくから。最初の５０試合はマジでもう死ぬ気で」。鮮やかなロケットスタートを切り、他球団を置き去りにするつもりだ。

照準は開幕戦　キャンプ初日から異例の紅白戦実施

　スタートダッシュ成功の下地を築くため、キャンプ期間は多くの実戦が組まれている。初日から行われる異例の紅白戦にも、ビッグボスの強い意志がうかがえる。「試合勘を開幕戦でトップに持っていけるように、紅白戦をどこのチームよりも先にやる。開幕ダッシュを目指して。そういう気持ちで、みんな体をつくれているでしょ？」。サラりとした言葉の中に、選手個々の猛アピールと、熾烈（しれつ）な競争を望む本心が見え隠れする。

　大きなアドバンテージを生かし、ぶっちぎりでゴールテープを切る。選手の持つ可能性を信じて、夢のような話を現実にする。「計算はしないけど５０勝０敗がいいよね。同じプロ野球選手、同じ人間がやってるんだから、不可能なんかない。一気にバッて変わるチームになるきっかけはあると思うから」。描いた物語を実現するための戦術も用意している。

ディフェンス力に自信　「うちの投手陣はレベルが高い。少ない点で守り切る」

　昨季は２２の借金を抱え、ペナントレースを終了した。その実力を自覚しているから、新庄監督は守りの野球を今季のテーマに掲げる。「うちの投手陣はたぶんレベルが高いと思う。何回見直しても、よそのチームより上じゃないかなと。少ない点で守り切る。それを５０試合やっていけたら、その後はもうノリノリでいける」。弱者の兵法をチームに落とし込み、大逆襲を図る。

　欲しいのは何よりも結果だ。シーズン前の実戦から白星にこだわり、勝ち癖を植え付ける。「（打者は）生きたボールを打って、ヒットゾーンに持っていく。投手は相手のバッターのバットの芯を外してゴロを打たせて、凡打を取る回数を増やす。そうすれば、おのずと勝っていく。紅白戦からそういう戦い方、器用さを求めます」。沖縄の地で準備を進め、ヨーイドンに全てを懸ける。