昨季首位打者の松本剛が大いに語る V奪還へ「緻密な野球で足を生かし、守り勝つ」
充実の先乗り合同自主トレが終了 いよいよキャンプイン
2月1日、西武をのぞくプロ野球11球団がキャンプインする。30日に春季キャンプ地の沖縄・名護で行われた先乗り合同自主トレを打ち上げた日本ハムの松本剛外野手(29)は選手会長として、V奪還を目指すチームへの思いを語った。
「若い選手が多いので、若さゆえのいい雰囲気がある。最近の子たちは緊張しないのかな? というくらい堂々とプレーするイメージ。それってすごい良さでもあり、ちょっと怖い部分もある。偉そうなことは言えないけど、ある程度経験している人間が、雰囲気を締めないといけない時は締めるべきだと思う。メリハリを背中で示していけたらいいな」
個性豊かで楽しみなメンバーが続々加入 自ら積極的にコミュニケーション
新戦力として昨季オリックスで日本一に輝いた伏見寅威捕手(32)、大リーグでプレー経験を持つ加藤豪将内野手(28)らが加わった。ルーキーを含めた新しい仲間たちを心から歓迎し、積極的にコミュニケーションを図っている。
「寅威さんは年齢的にも近く、敵チームでしたけどシーズン中から結構しゃべる機会があった。すごく話しやすい雰囲気の方で、どう考えてもいい人。僕は捕手に話を聞くのが好きなので、これからどんどん、いろいろな話を聞きたい。(加藤豪は)日本語がすごい上手。コミュニケーション能力も高くて何でも聞いてきてくれる。年は僕が1個上なので仲良くしていきたい」
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個性豊かで、才能あふれるメンバーが顔を揃えた。競争社会ゆえ時には火花を散らすこともあるが、同じベクトルを向けば想像以上の力を発揮できる。メンバーを束ねる立場であることを自覚する松本剛は、細部にまで気を配る。先乗り合同自主トレでは宿舎の手配のため、参加人数の把握や裏方さん用の昼食手配など、チームが円滑に回るよう方々を動き回った。
「自主トレは支え合ってやっているので、みんなでうまくやるようにしていた。お弁当は清宮がやってくれたり、お金の管理は(副会長の)浅間がしてくれたり。初めての選手会長ですが、この時期は見えないところで大変なんです(笑)。前会長の中島さんにもいろいろ話を聞いて、みんなで話し合いながら進めてきました」
昨季のパ・リーグ首位打者 今季狙うは最多安打「1本でも多く打ちたい」
昨季は首位打者を獲得し大きな飛躍を遂げた。ガムシャラにレギュラーを目指した昨年の同時期とは異なる立ち位置で、新たなシーズンを迎える。確かな自信を得ても、変わらぬ謙虚さを兼ね備える背番号7は、今季に懸ける思いを言葉に乗せた。
「正直(昨季骨折した)膝の状態がちょっと不安な部分はある。全力で走ろうと思えば走れるけど、まだ怖さがある。それでも2月1日の紅白戦に合わせてきたし、出場すると思う。今までと変わらず心境的にはガンガン試合に出たい。ゆっくりとか、そういう気持ちは一切ないです」
慢心はない。ポジションを失う怖さを誰よりも知っている。2017年に規定打席に到達した松本剛は翌年、西川、近藤、大田らとの競争に敗れ、出場機会を大きく減らした。当時の苦い経験があるから、今が頑張りどころと踏んでいる。
「17年が終わった時、僕は『レギュラーでずっと出ている人との差を大きく感じた』とコメントした。正直、自信を持てない自分がいた。でも去年は違った。数字を残して良い意味で自信に変えられた。今まで通り貪欲に、ガツガツと勝負がしたい。今年も守りに入るのではなく、どんどん攻めます。2年連続の首位打者は僕にしかチャンスがないのは事実。だけど、それよりもヒットを1本でも多く打ちたい。最多安打を目標にしたい」
盟友の近藤がホークス入り「簡単には補えない。新しい何かを生み出していく」
同期入団で親友の近藤健介外野手(29)がFA権を行使してソフトバンクへ移籍。抜けた穴は大きすぎるが、泣き言を漏らすわけにはいかない。優勝だけを目指すシーズン。ペナント奪還の鍵を必死に探し続ける。
「相当な戦力ダウンを僕一人では埋められない。簡単に補えるレベルではないので新しい何かを生み出していかないと。走れる選手、守れる選手が多いので細かい野球が必要になると思う。緻密な野球で、足を生かしつつ、守り勝つ。最終的には監督が決めることなので、あくまでも個人的な思いですけど、強い時のファイターズは守れるイメージがあります」