札幌大野球部OB上原新監督&丹野総監督 合計年齢144歳の同期コンビで古豪復活だ《新天地で輝く》
30年ぶりに野球界復帰の上原監督 2007年春以来のリーグ優勝目指す
黄金タッグで古豪復活へ―。札幌6大学野球(札幌学生野球連盟)1部の札幌大は、野球部新監督に上原哲朗氏(72)、総監督に丹野悟氏(72)が就任した。互いを知り尽くした同級生のOBコンビが、2007年春以来のリーグ優勝を目指し、チームを再建する。
「もうグラウンドで死んでもいい」覚悟で母校再建
長らく低迷の続く札大の新たな指揮官として白羽の矢が立ったのは、現役時代に札大や電電北海道(NTT北海道)などで活躍した上原監督だった。1991年から3年間、NTT北海道の監督を務めたのを最後に、野球界からは離れていた。監督のオファーを受けた際には「体の面でやれるかな」と年齢による体力の衰えに少しの不安があったが、「もうグラウンドで死んでもいいかって、それぐらいの覚悟で」と母校再建のために、一肌脱ぐことを決めた。
まずは守備力の強化に力を入れる。上原監督は札大では二塁手、電電北海道では外野手として活躍した。「内野手でも外野手でも、とにかくアウトにしてくれたら問題ない。何でもないゴロが一番難しい。丁寧に捕ってやらないと。きちっと捕ってアウトにするのが一番」と力説。打球へのチャージ、握り替えの速さも重視し、相手を一つでも先の塁に進めないことを求めていく。
攻撃ではスピードスターの出現に期待
攻撃面では機動力を生かした戦い方をしていく。上原監督自身も現役時代は持ち味の俊足でレギュラーを獲得。「打てないときにどうしたらいいか。もっと走りたい。サインを出さなくてもできる選手(が出てきてほしい)。自分で(投手のフォームを)盗んでやれる子もいると思う」とスピードスターの出現に期待を寄せる。
監督が代わったことで、チーム内競争も激しいものとなる。「やっぱり動揺もある。どんな監督なんだろうって探りも入れてますよ。だから、『アピールしないとわかんないよ、まだ顔と名前が一致しないからね』ってずっと言っている」と選手たちには貪欲な姿勢を求める。
大学時代に二遊間を組んだデコボココンビで「本当に勝ちたい、神宮に行きたい」
丹野総監督とは札大時代に二遊間を組んだ名コンビ。上原監督は「同期のデコボココンビ」と笑う。3月には鹿児島で合宿を張る予定だが「キャンプに行っても新1年生含めて何十人か残る。丹野がいると、そっちに丹野が付いてくれる。基礎をちゃんと見てくれる」と、札幌組は丹野総監督に任せる意向だ。
「本当に勝ちたい、神宮に行きたいって思っている。何とかしてやりたい」と上原監督。都市対抗優勝も経験している上原監督が、母校を勝てるチームに変貌させる。
■プロフィール 上原 哲朗(うえはら・てつお) 1950年8月18日生まれ、旭川市出身。札幌光星高2年時に春の甲子園に出場。札幌大では主に二塁手として活躍、2、4年時には神宮大会に出場。卒業後は電電北海道(NTT北海道)に入社し、外野手に転向。74年には大昭和製紙北海道の補強選手として、都市対抗優勝に貢献した。82年で引退し、90年のNTT北海道助監督を経て、91年から93年まで監督を務めた。家族は妻と1男2女。