昨季首位打者の松本剛 初実戦で貫禄の2安打
■紅白戦 紅組2-4白組(1日、沖縄・タピックスタジアム名護)
シーズン初実戦でマルチ安打 「本当にホッとした」
これが首位打者の貫禄だ。白組の「3番・左翼」で先発した松本剛外野手(29)は、一回の第1打席で左前打。続く第2打席も中前へ運び、マルチ安打をマークした。六回の第3打席は逆方向へ強烈なライナーを放ったが、打球は野手の正面を突き、結果は一直。それでも全ての打席で快音を響かせ、広角に打ち分ける高い打撃技術を見せつけた。
タイトルホルダーでさえ、シーズン最初の実戦は緊張感を覚えた。第1打席で打球の行方を見届けた松本剛は、一塁ベースを回ると何度も手を叩き喜びを表した。「素直に、実戦はとにかく安打を打ちたいと思って打席に立っている。その中でも1打席目に安打が出たことは本当にホッとした。2、3打席目も自分のイメージした打球が飛んでくれた」。キャンプ初日に行われた異例の紅白戦。何よりも欲しかった結果を手に入れた。
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新庄監督も大絶賛 「さらに楽しみだなと思いましたね」
得た好感触は、長い冬を越えても失われていなかった。「久しぶりの実戦だったけど『こんな感じだったな』という打席の中の感覚はあった。(結果が)悪い日も出てくると思うので、感覚は大事にしつつも技術的な部分で補っていきたい」。大ブレークを果たした昨季の活躍は、確実に自信へと変わっている。好不調の波が小さい安定感ある打撃で、今季もチームをけん引する。
活躍を見届けた新庄監督は「去年より(今季は)打てるかもしれないっていう印象はありましたね。軸がしっかりしている。体が回転した後にヘッドが出て、バットの上をボールが転がりながらヒットゾーンに持っていくような打撃をしている。さらに楽しみだなと思いましたね」と手放しで絶賛。昨季を上回る好成績を予言した。
最もレギュラーに近い男 油断や慢心は皆無
ポジション争いで頭1つ、2つ抜けた存在だが、貪欲にレギュラーを狙う姿勢を貫く。「どの立場になっても結果は必要。僕らは一年一年が勝負なので」。打って、走って、守れる。チーム内で最も計算の立つ男は、気持ちよく新たなシーズンのスタートを切った。