ヒシヒシと伝わる緊張感　選手たちの目の色が違った

　キャンプ初日の実戦。プロ野球界では例がないわけではない。私自身も驚きはない。ただ、ウオーミングアップから、選手たちの目の色が違っていた。緊張感がヒシヒシと伝わってきた。

　新庄監督は早い段階から、この日の紅白戦実施を公言していた。優勝しか目指さない指揮２年目シーズン。選手一人一人の「責任」を見たかったはずだ。言われた通り、しっかりと身体をつくってきたか。チームのために準備してきたか。それを確認したかったのだろう。

　試合は、「投高打低」の予想を覆した。初実戦。投手有利と思いきや、だ。レギュラー争いが、より激しい野手陣。それぞれが自主トレの段階から、意識して「生きた球」を数多く見てきたのだろう。

ドラ５ルーキーの奈良間が猛アピール　ええ度胸してまんなぁ！　

　中でもルーキーの奈良間が大きなインパクトを残した。いきなりの２安打に加え、足も見せた。しかもディレードスチール。思い切りが良く、タイミングも抜群だった。何より、ええ度胸してまんなぁ！彼ら新人にとっては大舞台だったはず。最高のアピールになった。

　チームへの影響も大きかった。奈良間のヒットで緊張感のあった雰囲気がさらにピリついた。上川畑しかり、石井しかり、松本剛でさえも。負けていられないと自然とギアが上がった。序盤は探り合いの様相を呈していたが、試合が進むにつれてスピード感も出てきた。

道産子左腕の根本が好発進　次回はクオリティーが求められる

　投手陣では根本。今ある力を素直に出せていた。いわば等身大のピッチング。身体はできていても、この時期は当然、実戦感覚に乏しい。首脳陣が今、見たいのは出力。よそいきの投球など見たくはない。その〝第１課題〟は十分にクリアできていた。次の登板からはクオリティーが求められるだろう。

　野手もフォーメーションプレーやサインプレーがより増えてくる。次戦は５日（紅白戦）。楽しみだ。