今季も〝新庄式〟健在! シーズン初実戦で伝説の外野手トリオが直接指導
■紅白戦 紅組2-4白組(1日、沖縄・タピックスタジアム名護)
外野守備に6人!? 新庄監督 稲葉GM 森本コーチが間近でアドバイス
過去の常識にとらわれない〝新庄式〟の野球が、今季もキャンプ初日から繰り広げられた。紅白戦の試合開始と同時に、異例の光景が観衆の目に飛び込んだ。外野の守備位置に就く選手のすぐ後ろに、もう1人。計6人が芝生の上に立っていた。
伝説の外野トリオが密着指導だ。左翼に森本稀哲外野守備走塁コーチ(42)、中堅に新庄剛志監督(51)、右翼には稲葉篤紀GM(50)が散らばり、各ポジションの選手に身ぶり手ぶりを交えて助言した。チームの守備力向上のために、2006年の日本一を支えたレジェンドたちが再び力を結集した。
試合直前に発案 「実戦で成功してこそ自信、信頼関係になる」
実戦でしか得られない経験値がある。あえて紅白戦の最中に指導を行った意図を、新庄監督は「紅白戦前に、俺たちが現役時代にやっていた動きを選手に教えようってなった。実戦で成功してこそ、自信になって余裕につながってくるから。それが信頼関係になる」と説明した。あうんの呼吸が生み出す鉄壁の外野守備は、強いファイターズの象徴だった。経験と技術を次世代に受け継ぎ、V奪還を目指すチームの土台をつくる。
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
初めは若干の戸惑いを覚えたが、指導を受けた選手たちには有意義な時間となった。松本剛は「(事前に)聞いてなかったので、もうレフトに人がいて守備に就くのが遅れたのかと思った。そしたら(森本)稀哲さんだった。あんなに近くで教わることは今までなかった。コミュニケーションの取り方を実際にやりながら教えてもらって、すごく参考になった」と充実の内容を笑顔で振り返った。
二刀流ルーキー・矢沢は六回から右翼守備 「いろんなことを教えてもらった」
指導は細部にまで及んだ。六回から右翼に就いた矢沢は、森本コーチからポジショニングや構え方など守りのイロハを教わった。「僕は外野守備をしっかりと教わったことがないので、いろんなことを教えてもらった。『構えすぎ、リラックスして立ってていいよ』と言われて、自分の中では新しい(発見)」と丁寧なアドバイスに感謝した。
斬新な発想が盛り込まれた実戦を開催し、春季キャンプは始まった。初日を終えた新庄監督は、グラウンドで躍動した選手たちの姿を思い浮かべて目を細めた。「いい天気の中でキャンプをスタートして、選手もめちゃめちゃ楽しかったと思う。初日の楽しさをあしたもあさってもずっと続けていけば必ず成長する。ワクワク感はすごく大事。惰性にならないような練習方法を、俺たちが考えないといけない」。明るく楽しく前向きに、優勝だけを目指すシーズンへ向かう。