ベテラン宮西 胸中激白! 手術のこと若手のこと記録のこと 大いに語る
プロ16年目の再スタート 2軍キャンプでマイペース調整
沖縄・国頭での2軍キャンプに参加している日本ハムの宮西尚生投手(37)が2日、道新スポーツウェブの取材に応じ、胸の内を明かした。
プロ16年目を迎えた鉄腕の表情は、どこかすっきりしていた。「俺、今、メンタル無敵やから。開き直って、アカン扉を開いている。今、ある意味最強よ。振り切った。もう無敵で、なんでも来い。雑念がないね」
途切れた50試合登板 選手登録抹消に肘痛 昨季は「まさに廃人生活」
昨季は24試合の登板にとどまり、ルーキーイヤーから続けていた50試合登板の記録が「14年」で途切れた。「引退」の2文字も頭をよぎったが、もう一度、勝負することを決めた。
「前から50試合が切れた時点で、俺の野球人生は、ほぼほぼやめるつもりだった。そこに差しかかっているから無敵なのかもしれない」
昨シーズンは2度の出場選手登録抹消があり、2軍本拠地のある千葉・鎌ケ谷で寮生活を送ることもあった。
「肘も痛いし、練習が終わって昼からずっとベッドにいた。何このニートみたいな生活って。友達と電話したり、ボーとしていた。まさに廃人生活。投げたら(肘に)水たまって試合の前日まで投げられないし、準備もちゃんとできなかった」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
今季はチーム最年長 若手の奮起に期待 「危機感がない」
苦悩の日々を過ごし、8月上旬に水がたまる状態だった左肘のクリーニング手術を決断。入団時から勝利の方程式の一角を担い、チームのために左腕をささげてきた。一気に肩の荷が下りたように感じたという。
「勝ちパターンでチームの勝利が懸かっていて、優勝を目指す中で背負うよね。今は自分のことしか考えてないし、めっちゃ楽。背負う物は何もない」
そう言って笑ったが、今季からチーム最年長に。投手陣の〝ご意見番〟として、後輩たちのことももちろん気に懸けている。
「やっぱり危機感がないよね。必死感というか…のほほんとキャンプしているなって。(自身が若手の時は)もっとがっついていた気がするんだけどな~。こんなチャンスがあるのに…貪欲さがないなという感じかな」
オフは走り込みを徹底 「量はプロ野球界でも1、2を争うくらい」
このオフは、過酷な練習メニューを必死にこなしてきた。年明けからチームメートの堀、長谷川、中日の岡田らと合同自主トレ。陸上競技場での走り込みがメインだったという。
「日によって違うけど、毎日10キロ以上は走っているよ。走り込んだ量でいえば、プロ野球界でも1、2を争うくらいじゃない。俺より遅くて、(目標の)タイムを切れない堀とかはずっと罰走だった」
地道なトレーニングを積み重ね、キャンプ初日の1日にはブルペン入り。実戦登板の予定もすでに伝えられているが、気負いは一切ない。
「実戦で投げるといっても、普通にやってきたことをやるだけ。回答が100か0だね」
射程圏内の金字塔 「400ホールドは取りたいかな」
無の境地に達した宮西だが、心の片隅で抱く思いがある。前人未到の通算400ホールドにあと「20」と迫っており「400(ホールド)は取りたいかな」と意欲をのぞかせた。やることはやってきた。あとはマウンドで腕を振るだけだ。