≪河合CRC竜の眼≫ 成長著しい高嶺 チームの顔になれ
北海道コンサドーレ札幌の河合竜二CRC(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン、43)が赤黒戦士の魅力に迫る連載企画。今回は2日のG大阪戦でプロ初ゴールを記録したMF高嶺朋樹(23)を取り上げる。今季ここまで全試合出場。2年目でチームの主力へと成長した道産子MFを深掘りする。
高嶺はプレーに安定感が出て、一つ上の段階にステップアップした印象。左CBにも入ったり、いろんなポジションができることで存在感を発揮できている。
ボランチの中でもDF能力はひときわ高い。1対1で奪いきれるのが何よりも強みだ。キープ力、前に運ぶ推進力もある。(マークを)はがす力にたけていて、ターンがうまく、的を絞らせない。ステップではがしたり、体の向き一つでかわしたり、すごく器用な選手だ。
今年は展開力、特にロングフィードの精度が増した。ボールの置きどころが良く、同じ左利きの福森に近いレベルで、質の良いパスを出せている。体が違う方向を向いていても、縦パスや斜めのパスを供給できており、「良いところに入れたな」と思うことが増えた。
G大阪戦のゴールは素晴らしかった。ミドルシュートを打つシーンは昨年より増えている。あそこでミドルを打てる選手がいると、DFとしては寄せざるを得ない。高嶺としては打つことも、寄ってきたらボックス内のFWに出すこともできる。スペースが空くので攻撃の幅は広がる。
アカデミーからトップに上がることができなかった。それでも大学経由で帰ってきてくれて、中心選手として活躍している。現アカデミー生にとっては希望だし、今後、代表選手になってくれたら、後輩たちのさらなる自信にもなる。人間性も素晴らしく、クラブとしてはキャプテンになり得る選手と期待する。チームの顔になってほしい。
今季も残りは7試合。攻撃面は素晴らしいサッカーができている。最後の質にこだわり、引いた相手に対してどう崩すかをさらに突き詰めてほしい。ボランチからトップにいいボールが入れば、前を向いて勢いのある攻撃ができる。(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン)